「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」が開催。MVPはセがヤクルト・村上宗隆、パがオリックス・山本由伸!
2021年プロ野球の掉尾を飾る年間表彰式「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」が12月15日に都内で開催された。昨年に引き続き今年も新型コロナウイルス感染拡大予防のため無観客で開催。タイトルホルダーはインタビュー動画で喜びの声を届け、最優秀選手賞(MVP)、最優秀新人賞(新人王)ら表彰者には会場で記念品が贈呈された。
MVPに選ばれたのはセ・リーグが村上宗隆(ヤクルト)、パ・リーグが山本由伸(オリックス)。21歳の村上、23歳の山本と若き2人はともに初受賞となった。
シーズン通して四番に座り続けた村上が残した39本塁打、112打点はいずれもキャリアハイ。打点はタイトルにあと「1」届かなかったが、岡本和真(巨人)と同数で初の本塁打王に。バットだけでなくベンチで先頭に立って声を出すなど献身的な姿勢もチームに力を与え、日本一へ駆け上がった。「このような賞をいただくことができ、光栄です。これからの野球人生に生かしていきたい。打てるものなら10割を打ちたいですし、毎打席ホームランも打ちたい。それを求めてやっているので。究極は何でも打てるバッターです」とさらなる高みを目指している。
山本はまさに“絶対的エース”として奮闘したシーズンとなった。5月下旬からは球団記録となる15連勝。連勝期間中の17試合の防御率は0.91と非の打ちどころがないピッチングを見せた。最多勝利(18)、最優秀防御率(1.39)、勝率第一位(.783)、最多奪三振(206)と4冠を独占。「(MVPは)パ・リーグで1人しか受賞できない賞なので本当にうれしく思います。とにかく1試合1試合全力で、変わらずにやっていました。来年もとにかく試合に勝てるように全力でやっていけたらな、と。今年は日本一になれなかったので日本一になれるように頑張ります」と来季こそはチームで頂点をつかむことを誓った。
新人王に選出されたのはセが栗林良吏(広島)、パが宮城大弥(オリックス)となった。
昨年の森下暢仁に続いて広島から2年連続受賞となった栗林。1年目からいきなりクローザーに抜てきされると、開幕2戦目の中日戦(マツダスタジアム)でプロ初登板初セーブ。その試合から6月10日まで開幕からの新人記録となる22試合連続無失点。さらに7月14日から11月1日の最終戦まで歴代2位タイの20試合連続セーブを達成するなどクローザーとして獅子奮迅の活躍を見せた。「妻の支えが一番の力になりましたし、マツダスタジアムという素晴らしい球場、ファンの方々に応援してもらえたのでこの成績を残せました。あと阪神の中野(拓夢)選手や伊藤(将司)選手は社会人卒で、年齢も同じ。同じ境遇でプロに入ったので絶対に負けたくないと思っていました。今年は新人のライバルが多かったので新人王の原動力になったと思います」と新人王を獲得できた要因を明かした。
高卒2年目の今季、13勝と大ブレークした宮城。140キロ後半のストレートは球速以上のキレがあり、スライダー、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球も制度が高い。防御率2.51と安定感も抜群で、敗れはしたが日本シリーズでも7回2/3を1失点と好投した。「2年連続沖縄の人(出身者)が受賞ということで、とてもうれしいです。去年、平良(海馬、西武)さんが獲って、今年まだ権利があるということで意識していました。シーズン前はここまでの成績を残すイメージが湧かなくて、なんだかんだ頑張った結果なのかなと思います。本当にいろんな方々に褒めてもらうなど、ちょっとしたきっかけが自信につながったのかなと思います」と周囲に感謝した。
また、高卒2年目で9勝を挙げた奥川恭伸(ヤクルト)、新人ながら10勝を挙げた伊藤将司(阪神)、30盗塁でタイトルを獲得した中野拓夢(阪神)、新人左打者最多の24本塁打を放った佐藤輝明(阪神)、打率3割&20本塁打超えを果たした牧秀悟(DeNA)にはセ・リーグ新人特別賞、10勝をマークし、東京五輪でも日本代表として金メダル獲得に貢献した伊藤大海(日本ハム)にはパ・リーグ新人特別賞が贈られた。
最優秀監督賞には高津臣吾監督(ヤクルト)、中嶋聡監督(オリックス)の両リーグ優勝監督が輝き、正力松太郎賞にはヤクルトを20年ぶりの日本一に導いた高津監督が初選出。コミッショナー特別賞には東京五輪で金メダルに輝いた日本代表を率いた稲葉篤紀侍ジャパントップチーム前監督、リーグ特別賞としてシーズン新記録の50ホールドをマークした清水昇(ヤクルト)、遊撃手として史上最多出場を記録した坂本勇人(巨人)が表彰された。さらに、今季限りでユニフォームを脱いだ松坂大輔(西武)、鳥谷敬(ロッテ)には功労賞が贈られている。