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【後半戦展望】セ・リーグは阪神が首位独走、パ・リーグは日本ハムとソフトバンクの一騎打ちの可能性が

 セ・リーグは前半戦を終え、首位・阪神が2位・DeNAに9.5ゲーム差をつけて独走。2年ぶりのリーグ優勝に向けて着実に歩を進めている。そして、2位のDeNAから5位の広島まで3ゲーム差に4球団がひしめいている。この混戦を抜け出し、どの球団が阪神を追いかけるか。クライマックスシリーズ(CS)争いは、シーズンの最終盤まで熾烈な争いが繰り広げられそうだ。

 藤川球児監督が就任した阪神は盤石の戦いぶりで白星を重ねている。チーム防御率1.99と抜群の安定感を誇り、先発陣は村上頌樹、才木浩人、デュプランティエ、伊原陵人、伊藤将司、大竹耕太郎と試合をつくる能力が高い投手がそろっている。打線も近本光司、中野拓夢の一、二番がチャンスメーク。リーグトップの25本塁打、64打点をマークする佐藤輝明が四番に座り、三番の森下翔太、五番の大山悠輔で固めた和製クリーンアップは破壊力抜群だ。投打でスキのない戦いを見せており、このまま突っ走るか。

 2位のDeNAは東克樹、ジャクソン、ケイ、バウアーとエース級の投手を4人擁しながら波に乗れない。バウアーは大量失点するケースが目立ち、救援陣も入江大生、ウィックが戦列を離れて不安を残す。打線も昨年の首位打者・オースティンが右膝の違和感、筒香嘉智が打撃不振でファーム再調整中。フォード、ビシエド、藤浪晋太郎を獲得したが、流れを変える救世主となれるか。

 リーグ連覇を狙う巨人は借金2の3位で前半戦を終えた。中日から移籍したマルティネスは37試合登板で28セーブ、防御率1.02と申し分ない働きぶりだが、打線は不動の四番・岡本和真が左肘靭帯損傷で長期離脱した穴が大きい。泉口友汰、増田陸など若手成長株が奮闘しているが、勝負の夏場はベテランの力が必要となる。打撃不振で2度のファーム降格を味わった坂本勇人が復活できるか。

 井上一樹監督が就任した中日は7月9日から今季最多の7連勝を飾って4位となり、CS争いに加わってきた。リードオフマンの岡林勇希、復活した上林誠知、長距離砲の細川成也、7月は月間打率.318と調子を上げているボスラーを中心に打線の破壊力は間違いなく上がっている。先発陣は松葉貴大、大野雄大などベテランの奮闘が目立つ。上位浮上に向け、前半戦3勝に終わったエース・髙橋宏斗の復調がカギを握る。

 広島は7月に入って3勝12敗3分と失速。5位まで順位を下げた。昨年も8月まで優勝争いを繰り広げていたが、9月に5勝20敗と大失速して優勝争いから脱落したが、今年は意地を見せたい。6月27日から16試合連続3得点以下と球団史上66年ぶりの不名誉な記録となったが、ファビアン、モンテロが加入した打線の破壊力は昨年より上がっている。後半戦は立て直して1つでも上の順位を狙う。

 最下位のヤクルトは破壊力抜群の打線が強みだが、村上宗隆、塩見泰隆、長岡秀樹、サンタナが相次いで離脱したことで得点力が半減。投手陣もリーグワーストの防御率3.56と不安定で借金が22までふくらんでいる。ただ、内山壮真、岩田幸宏、赤羽由紘、伊藤琉偉、澤井廉など若手野手に楽しみな素材が多い。険しい道のりだが勝率5割復帰を目指し、CS争いに割って入りたい。

 パ・リーグは日本ハムが貯金21で前半戦を終えて首位ターン。リーグ連覇を狙うソフトバンクが2ゲーム差で追いかける。3位のオリックスは日本ハムと6.5ゲーム差。優勝戦線に踏みとどまるためにもこれ以上離されたくない。4位以下の西武、楽天、ロッテは借金を完済してCS争いに参戦したい。

 新庄剛志監督が就任4年目を迎えた日本ハムは、成熟期を迎えようとしている。伊藤大海、北山亘基、山﨑福也、金村尚真、加藤貴之、達孝太、細野晴希をそろえた先発陣は質、量ともに12球団トップクラスで「投手王国」の雰囲気を漂わせる。打線は2種類のオーダーを組めるほど選手層が厚い。レイエスのマークが厳しくなる中、清宮幸太郎、万波中正、野村佑希など中軸を担う選手たちの打棒爆発がポイントになりそうだ。

 リーグ連覇を狙うソフトバンクは主力に故障が相次ぎ、春先に借金7までふくらんだが、柳町達、野村勇、ダウンズなどが台頭して上昇気流に。近藤健介、山川穂高が復帰し、投手陣も安定していることから貯金17まで増やした。守護神のオスナが不安定な投球だったが、杉山一樹が抑えに配置転換されて安定した投球を続けている。松本裕樹、藤井皓哉と結成する「勝利の方程式」が後半戦も機能すれば、逆転優勝が見えてくる。

 3位のオリックスは岸田護監督が就任し、4月を終えた時点で首位と好スタートを切った。昨年は打撃不振だった杉本裕太郎、頓宮裕真の復調により打線の破壊力が上がったが、森友哉、西川龍馬が故障で離脱したことが痛手に。日本ハム、ソフトバンクに追走するためには投手陣の踏ん張りが重要になる。エース・宮城大弥は打線の援護に恵まれない側面があったが、前半戦3勝は物足りない。後半戦に白星を積み重ねたい。

 昨年球団ワーストの91敗を喫した西武は西口文也監督が就任。今井達也、隅田知一郎を中心に強力な投手陣で守り勝つ野球を実践し、貯金7まで増やした。だが、7月に入ると4勝12敗1分と大きく負け越して借金生活に。苦境を迎えているが、このままズルズル下降線をたどるわけにはいかない。ネビン、ドラフト2位新人の渡部聖弥、新加入のデービスがポイントゲッターとして機能すれば、再び上昇気流に乗れる。

 三木肇監督が就任した楽天は借金7の5位で前半戦を終えた。投打の軸が稼働しなければ苦しい戦いを強いられる。浅村栄斗は通算2000安打を達成したが、打撃の状態が上がらず、7月7日にファームに降格。エースの早川隆久も安定感を欠き、勝ち星を伸ばせず2勝7敗と苦しむ。ただ、三木監督は実績関係なく起用するため選手のモチベーションが高い。後半戦は台風の目になれるか。

 最下位に沈んだロッテは、5月に6勝17敗と大きく負け越したのが響く形に。先発の軸として期待される小島和哉、種市篤暉、石川柊太はいずれも防御率3点台。パ・リーグの規定投球回数に到達している上位の9投手が防御率1点台、2点台であることを考えると、物足りなく映る。ただ、田中晴也、木村優人、寺地隆成、山本大斗、西川史礁など投打に楽しみな若手が多い。今後の戦いぶりが楽しみだ。

【文責:週刊ベースボール】