公正取引委員会の行政指導(警告)について
日本プロフェッショナル野球組織
セントラル野球連盟
パシフィック野球連盟
プロ野球12球団で構成する日本プロフェッショナル野球組織(NPB)は、各球団と選手との選手契約交渉の代理人に関する12球団の申し合わせ1(以下「本件申し合わせ」といいます)について、本年8月、公正取引委員会による独占禁止法に基づく調査を受けたことを機に、今月2日の実行委員会において本件申し合わせを撤廃することを決議し、同日、公正取引委員会にお伝えしました。公正取引委員会からは本日9月19日、調査の結果として、本件申し合わせは独占禁止法第8条4号に違反するおそれがあるとの通知とともに、本件申し合わせと同様の行為を今後、行わないよう行政指導(警告)を受けました。NPB12球団としては引き続き、独占禁止法及び弁護士法等の関係法令を遵守しつつ適正・適切に選手との契約交渉に臨む所存です。
本件申し合わせは、代理人を弁護士に限り、1人の代理人は複数の選手の契約交渉の代理はできないなどとする内容です。選手契約における代理人による交渉を求める日本プロ野球選手会の要望を受け、2000年10月、NPB実行委員会において合意したものです。このような内容となった主な理由は、①各球団と選手との選手契約交渉の代理業務の多くが、弁護士法72条で非弁護士による取扱い等が禁止された法律事務にあたる、②弁護士であれば弁護士倫理に基づき選手の適正な利益の確保が期待できる、③一人の代理人が複数の選手の契約交渉にあたった場合、代理人が担当する選手同士の利害が相反するなどの弊害が生じるおそれがある――からでした。そして本件申し合わせのもと、各球団においては、弁護士法の遵守と選手の利益保護、及び各球団と所属選手の信頼関係の維持・向上が図られてきました。しかしながら、その後20年以上の年月が経ち、スポーツ競技の分野における社会情勢の変化なども踏まえ、今回の公正取引委員会の調査を機に本件申し合わせを撤廃することにいたしました。
今後も、選手契約交渉において、弁護士法72条の遵守を確保するとともに、選手の利益を保護し、各球団と所属選手の信頼関係の向上を図る必要性があることに変わりはありませんが、本年2024年のシーズンオフからは、各球団が、これらを適切に判断して選手契約に臨むことになります。
1 2000年10月のNPB実行委員会で、選手契約交渉の代理人は弁護士とした上で、各球団に所属する選手が既に他の選手の選手代理人となっている者を選任することを認めない――ことなどを申し合わせとして確認した。