2026年を迎えて

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨シーズンを振り返りますと、セ・リーグは阪神タイガースが他球団の追随を許さない独走で、2年ぶり7度目のリーグ優勝を果たしました。一方のパ・リーグは、福岡ソフトバンクホークスが最後まで続いた北海道日本ハムファイターズとの激しい優勝争いを制し、2年連続21度目のリーグ優勝を手にしました。そして、両リーグの覇者が対戦した「SMBC日本シリーズ2025」では、5試合中4試合が1点差という接戦の末、福岡ソフトバンクホークスが前年の雪辱を果たし日本一に輝きました。惜しくもリーグ優勝を逃した各球団も、ポストシーズンの出場枠をかけた熱戦を繰り広げ、各球場にはいつもファンの皆様の歓声が鳴り響いていました。
お蔭様で昨年のセ・パ公式戦入場者数は2,700万人を超え、2年連続で過去最多記録を更新しました。球場に足を運んでくださった皆様はもちろん、テレビやインターネット等を通じてご観戦くださった全国のファンの皆様のご声援が選手たちの力になったことは言うまでもなく、私どもにとりましても大きな励みとなりました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
グラウンドの外に目を転じれば、野球界を取り巻く環境は依然厳しく、若年層の競技人口拡大は喫緊の課題です。昨年はプロアマ合同で立ち上げた「中学球児応援プロジェクト」や、日本高等学校野球連盟と連携・協力して行う未就学児を対象とした野球振興事業など、新たな取り組みも始めました。これまで以上に野球の普及・振興活動に力を注ぐのはもちろんのこと、年代や性別を問わず多くの方々に興味を持っていただけるよう、プロ野球をより魅力あるものに発展させる、この思いを新たにし、NPB関係者一同惜しみない努力を続けてまいります。
今年は開幕に先立ち「第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」が開催されます。井端監督率いる侍ジャパンは「世界一連覇」を目指し、チーム一丸となって戦います。是非とも皆様の応援で後押ししていただければ幸いです。そして、見事目標を達成し、弾みをつけて今シーズンの開幕を迎えたいと願っております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人日本野球機構会長
日本プロフェッショナル野球組織コミッショナー
榊󠄀原定征

