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先発全員15安打。投げては武田が2失点完投。福岡ソフトバンクが連覇へ好発進！

　頂点に立つのは鷹かツバメか――。SMBC日本シリーズ2015が開幕した。

　試合前に福岡ソフトバンクの主将で四番の内川聖一が、CSファイナルステージ第1戦での守備でフェンスに激突した際、肋骨を骨折していたことが発覚。四番の出場が困難になったが、豊富な戦力を誇る福岡ソフトバンクは、不測の事態をモノともしなかった。

　第1戦の先発マウンドに上がったのは、福岡ソフトバンク・武田翔太、東京ヤクルト・石川雅規。ともに、初回こそピンチを招いたが、2回以降は3人斬り。互いにスコアにゼロを刻んで試合は中盤へ。

　試合が動いたのは4回裏だ。福岡ソフトバンクは一死後、五番・松田宣浩が低めに沈むシンカーをとらえると、打球は左中間席に飛び込むソロ本塁打となり、先制点を挙げる。その後も攻撃の手を緩めることなく六番・中村晃が左前打、七番・吉村裕基が三塁への内野安打を放って一死一、二塁。ここで八番・今宮健太が中前打を放つも、東京ヤクルトの中堅手・上田剛史の好返球で追加点を阻まれたが、九番・高谷裕亮の三塁への内野安打、さらに一番・川島慶三の中前打で2点を加点。6連打で3点を奪った。

　反撃したい東京ヤクルトだったが、福岡ソフトバンク・武田を攻略できず。120キロ台のタテのカーブ、140キロ後半の直球と緩急をつけた投球に的が絞れず、凡打の山。9回二死一塁から四番・畠山和洋が左翼への本塁打を放って2点差に迫り一矢を報いたが、時すでに遅し。今季、セ・リーグトップの打率.257を誇る強力打線が鳴りを潜めた。

　対照的に福岡ソフトバンクは6回、二死二塁から明石健志が左中間への適時二塁打で4点目を奪うなど、先発全員の15安打。投げては、先発・武田が4安打2失点の完投で、大事な初戦をモノにした。

　試合後、「武田君の丁寧なピッチングにつきる。（打線は）選手たちが“つなぐ”気持ちを持ってチームが1つになった勝利。勝ってホッとしていますが、まだこれからもあるので気を引き締めたい」と工藤公康監督。福岡ソフトバンクが、四番不在を感じさせぬ勝利で日本一連覇へ向け、好スタートを切った。