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両軍計6本塁打の空中戦　山田の「3連発」で東京ヤクルトが制す

　鷹が王手をかけるのか、本拠地・神宮でツバメの逆襲が始まるのか――。SMBC日本シリーズ2015第3戦は、序盤から試合が動いた。

　東京ヤクルトの先発・杉浦稔大は初回、四球と二塁打で一死二、三塁と攻められるも、四番・李大浩、五番・松田宣浩を連続三振に。ピンチこそ招いたが、3つのアウトすべてを三振で奪い、無得点に抑えた。

　その裏、東京ヤクルトは福岡ソフトバンクの先発・中田賢一に対し、一番・上田剛史が四球を選ぶ。二番・川端慎吾が右飛に倒れたが、三番・山田哲人が甘く入ったスライダーをとらえると、中越えへの2ラン本塁打となり、先制点を奪取。山田の一振りで、今シリーズ初めて東京ヤクルトがリードを奪った。

　だが、福岡ソフトバンクは簡単には引き下がらない。2回、先頭の六番・中村晃が右前打を放って出塁すると、一死後、八番・高谷裕亮が右前打、九番・中田が犠打を決め、二死二、三塁。打順は一番に戻って打席には福田。その初球が暴投となり1点差とすると、福田が一、二塁間を破る右前適時打を放って2対2の同点とし、ゲームは振り出しに。

　試合は、なおも動き続ける。3回、二死無走者から東京ヤクルト・山田が2打席連続本塁打となるソロアーチで再びリードするも、4回に福岡ソフトバンク・今宮健太、5回には明石健志がいずれもセンターバックスクリーンに飛び込むソロ本塁打で、福岡ソフトバンクが4対3と逆転に成功した。

　王手阻止へ。負けられない東京ヤクルトに流れを引き寄せたのは、またも山田だった。5回裏。二死から二番・川端が四球を選ぶと、次打者・山田が内角の148キロのストレートを上手く振り抜くと、打球は高々と上がって左翼席へ。日本シリーズ史上初となる1試合3打席連続本塁打となる2ラン。東京ヤクルトが再逆転すると、神宮球場のボルテージは最高潮に達した。

　盤石の救援陣を誇る東京ヤクルトは、6回以降、石山泰稚－久古健太郎－オンドルセクの必勝リレー。8回には四番・畠山和洋にもソロ本塁打が飛び出すと、雄平のシリーズ初安打となる右翼線への二塁打、代打・松本ユウイチの四球、中村の右中間への2点適時打二塁打でリードを4点に広げ、最終回は守護神・バーネットがピシャリと3人で締めた。両軍計6本塁打の空中戦。中盤まで二転三転するシーソーゲームとなった第3戦は、山田が「3連発」を放つ活躍で、東京ヤクルトが制した。

　「自分の思ったとおりにバットが振れたので、ボールが飛んで行った。3打席目はホームランを狙っていなかったですけど、強い打球を打とうと意識した結果がホームランにつながりました」と試合後に山田が話せば、「（山田の本塁打は）僕自身も鳥肌が立ちました。素晴らしい打撃でした」と東京ヤクルト・真中満監督。これで対戦成績は1勝2敗に。「まだ1つ勝っただけ。これからまた1つずつ勝っていきたい」と指揮官が言うように、東京ヤクルトが本拠地・神宮で反撃を期す。山田の「3連発」を、その狼煙とする。