14年ぶりの日本一へ。首位打者、最多安打、本塁打、打点などリーグ・タイトルを独占した強力打線と、リーグトップの救援投手防御率2.67を誇る盤石のリリーフ陣で、東京ヤクルトが頂点を目指す。
打撃陣をけん引するのは、三番に座る山田哲人だ。昨季、193安打を放ってその才能を開花させたバットマン。今季はリーグ2位の打率.329をマークしただけでなく、38 本のアーチをかけて本塁打王にも輝いた。さらに34盗塁で盗塁王も獲得し、“走者”としても怖い存在に。チャンスメークだけでなく、決定打に一発ありと山田の活躍が得点のカギになる。
その三番・山田の前を打つ二番に座るのが、今季、最多安打と首位打者に輝いた川端慎吾だ。今季の犠打数は、わずか2と、攻撃的な二番打者として打線を活性化させた。「とにかく塁に出ることを考えている」と、2ストライク後は、際どいボールをカットし、甘いボールを呼び込んで果敢にスイング。CSファイナルステージMVPに輝いた男が日本シリーズでも本来の力を発揮できるかもカギになる。二番・川端、三番・山田がシーズン同様に機能すれば、おのずと得点力はアップするだろう。さらに、四番には打点王を獲得した畠山和洋、一発を秘めるバレンティンも下位打線に座るなど、強力打線は侮れない。
この打線で先取点を奪えれば、あとは盤石の継投で逃げ切りを図る。勝利の方程式を確立したロマン、オンドルセク、バーネットの3人の外国人右腕はシーズン、CSを通して安定感は抜群。さらに秋吉亮、久古健太郎らも控える。今季、先制点を挙げた74試合のうち、実に55試合で勝利を飾るなど、先行逃げ切りの必勝パターンを日本シリーズでも見せられるか。
不安材料は、やはり経験値。日本シリーズを経験している選手は、ほぼゼロ。初の大舞台で臆することなくシーズン同様の戦いを展開できるか。先取点を奪い、そして継投で守り抜く。その戦いができれば、昨年の日本一チーム、王者・ソフトバンクの牙城を崩すことも十分に可能だ。