SMBC日本シリーズ2015開幕を翌日に控えた10月23日、福岡のヤフオクドームで監督会議と監督会見が行われた。
監督会議は、本拠地・福岡ソフトバンクの練習が終わった後、そして東京ヤクルトの練習が始まる前の午後2時からスタートした。1時45分に東京ヤクルト・真中満監督が会議室に入室。福岡ソフトバンクの工藤公康監督は遅れること10分後に入室し、お互いに穏やかな雰囲気で会議が始まった。まず規則に関する確認をしたあと、工藤監督が「パ・リーグは予告先発を取り入れています。できればこのシリーズも、それでお願いしたいです」と「予告先発」の実施を提案した。しかし、真中監督はチームの戦略上のことを考え「(日本シリーズは)なしでお願いしたい」と受け入れない姿勢を見せた。両監督が話し合いをする中で、日本シリーズは両監督の合意の下で、決まることを確認し、最後は工藤監督が折れ、「予告先発なし」で合意した。その結果、今回の日本シリーズでは全試合で予告先発なしで行われることが決定した。
監督会議後に行われた監督会見では、まず、東京ヤクルトの真中監督から壇上へ。予告先発の提案を拒否したことについて「(ヤクルトの)メンバー構成上しない方がいいと思うので」と理由を語った。「いよいよ始まるという感じで緊張しています」と笑顔で会見を続ける真中監督だが、圧倒的な強さでパ・リーグを制してきた福岡ソフトバンクには、先発投手が試合を作れれば勝機があると自信を見せる場面も。一方で「打者は1球でも多く相手投手に投げさせ、くらいついていき、投手は1球1球粘り強く投げていく」ことが勝ちにつながると語った。
福岡ソフトバンクの工藤監督は予告先発なしに同意したことについて「できれば(やりたい)と思っていたんですが、仕方がない」とすでに気持ちを切り替えていた。選手たちには「勇気を持って試合に臨んでほしい」と練習後に円陣を組んだ中で伝えたという。V2に向けての試合のシミュレーションはしているというが「第1戦と第3戦が大事」と、この2試合を重要視する見解を示した。
今回、66回を迎える日本シリーズの中でも、両チームは初対決。さらに両チームにはトリプルスリーを達成した東京ヤクルトの山田哲人と福岡ソフトバンクの柳田悠岐というスターの対決も期待され、しかも新人監督同士の対戦は過去に3回しかないという、興味深いシリーズになる。東京ヤクルトは2001年以来、14年ぶり6回目の日本一を。福岡ソフトバンクは昨年に続き2連覇(7回目の日本一)を狙う。監督会見後、がっちりと握手を交わした両監督。すでに明日の先発も含め、両者ともすでに明日の第1戦へ気持ちが向いていた。