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【セCSファイナルS展望】5年ぶりのCSファイナルで一騎打ち! 巨人強力打線を阪神投手陣が抑え込めるかがカギ

 クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを3位の阪神が制したことで、5年前の2014年と同じ1位・巨人に阪神が挑むファイナルステージとなった。巨人にとっては因縁の組み合わせ。というのも、5年前の同ステージでは、阪神がファーストステージの勢いそのままに4連勝でCSを突破しているからだ。このとき、巨人を率いていたのは翌15年限りで監督の任を退くことになる原辰徳監督。今季、4年ぶりに現場に復帰し、5年ぶりのリーグ王者の座に就き、東京ドームで“リベンジ”の舞台に臨む。

 今季は対阪神15勝10敗と大きく勝ち越しているリーグ王者・巨人のストロングポイントは打線だろう。チーム打率.257こそリーグ2位だが、663得点、183本塁打は1位。中でも上位打線はシーズンを通して相手の脅威となり続けた。一番に座る37歳のベテラン・亀井善行が出塁すれば、初の40本塁打に到達した坂本勇人、89打点の丸佳浩、31本塁打の岡本和真と切れ目なし。坂本勇、丸、岡本はそろって25本塁打&85打点超だ。しかも、丸は今季対阪神打率.283で8本塁打、19打点。岡本も6本塁打、19打点と強さを見せる。これに比較すると下位は弱いが、終盤に17年のセ本塁打王のゲレーロが復調し、二塁・三塁枠の若林晃弘、山本泰寛、田中俊太らも意外性を発揮。彼らのパフォーマンス次第では、早期決着の可能性もあるかもしれない。

 一方、投手陣ではエース・菅野智之が腰に不安を抱えるのが気掛かり。二軍調整が続くが、すでに実戦形式のマウンドに立ち、登板後の状態も良好。5戦目以降の登板の可能性も出てきた。先発は3つのタイトルを獲得した山口俊(第1戦に先発)を核に、この1年で大きな成長を見せたメルセデス、桜井俊貴、新人の髙橋優貴の4人。ただ、短期決戦で勢いが重要なことから、ダメならばすぐに第2先発をマウンドに向かわせる方針で、候補に楽天から移籍の古川侑利、高卒新人の戸郷翔征が充てられる見込み。ここに67試合登板でブレークした4年目の中川皓太、途中加入で8セーブのデラロサが勝利の方程式の要。先発から転向の田口麗斗、高木京介もそれぞれ55試合に投げ、澤村拓一も復調とブルペン組は頭数もそろい、ブルペン総動員で勝利をつかむ。

 ファーストステージでDeNAと死闘を繰り広げた阪神は、第1戦に望月惇志が先発する。今季先発は5試合。最長は6イニングだが、矢野耀大監督はそこまで引っ張ることはないはずだ。長くても4イニングで、その後は強力な中継ぎ陣に託し、まず先勝を目指す。ファーストステージ第3戦でも好投の髙橋遥人を3回でスパッと交代させて中継ぎ陣が踏ん張り、ファイナルステージ進出を決めたが、第1戦はまさにこの展開に持っていくことを矢野監督は考えているはずだ。もちろん第2戦以降も同じように先発の調子を見極め、試合展開を見ながら、強力中継ぎ陣を惜しみなくつぎ込んで試合を組み立てていく。

 打線はリーグトップの100盗塁を誇る走力で巨人投手陣を揺さぶっていく。まずは一番のルーキー・近本光司が出塁し、盗塁王を獲得した足でかき回す。福留孝介、マルテ、糸原健斗のクリーンアップで一発攻勢をそこまで見込めないため、しっかりと近本をホームにかえす打撃で1点ずつ奪っていく形になるだろう。終盤のチャンスでは走塁のスペシャリストの植田海が、バッテリーにプレッシャーをかけながら得点を狙っていく。

 今年の阪神は数少ない得点を中継ぎ陣で守り抜いていくのが勝ちパターンだが、シーズン終盤にはその戦法で特に機能して6連勝を決め3位に入り込み、ファーストステージも突破。チームが勢いに乗る中で、戦い方は変わらない。矢野監督も「すべてオレの責任やから」と選手たちが思い切りプレーしやすい環境を作った。いい雰囲気が流れているからこそ、選手は力を存分に発揮できる。心技体とも充実した状態で、リーグ覇者・巨人に立ち向かう。

【文責=週刊ベースボール】