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【コラム】ロッテ・岡大海がプロ野球記録8試合連続二塁打、ファンをワクワクさせる進化を止めないベテラン

 ロッテのベテラン外野手が球史に残る記録を達成した。6月30日のオリックス戦(ZOZOマリン)。4対0とロッテリードで迎えた7回裏、一死一、三塁で岡大海が才木海翔のフォークをとらえた打球は左翼線へ。2者が生還し、打者走者の岡は悠々と二塁へ到達した。この瞬間、2009年金子誠(日本ハム、現ロッテ戦略コーチ)、21年近藤健介(日本ハム、現ソフトバンク)が記録した7試合連続を更新する8試合連続二塁打に。代走を告げられ、ベンチに引き揚げた岡は敬意を表して金子コーチに深々と頭を下げた。

「まずは試合に勝ちたいと思う気持ちが一番で、その中で記録が達成できたらいいなという気持ちでいました。なかなかこういう記録に縁がなかったので。一つでもこういう記録が達成できて、すごくうれしかったです。試合が終わってから(金子コーチが)『抜かれたか』と言われたので、偉大な金子さんの記録を抜くことができて、とてもうれしいです」

 14年、ドラフト3位で明大から日本ハムに入団した岡。プロ野球人生のターニングポイントとなったのは5年目だった。18年7月26日。新千歳空港に降り立つとマネジャーに呼び止められた。「このまま、一緒にホテルまで来てほしい」。その瞬間、直感でトレードだと分かった。新天地のロッテへ。奇しくもトレード相手は2年目にプロ初本塁打を放った左腕・藤岡貴裕だった。

 ロッテでも絶対的なレギュラーをつかみ切れなかった。しかし、存在感を発揮。21年は110試合に出場して打率.242、6本塁打、18打点だったが、9回裏にサヨナラ弾、同点弾など起死回生の一撃を3本放ち、ファンはこれを「ヒロミナイト」と呼んだ。チームが苦しい展開に追い込まれていても、岡が終盤に打席に入ると何かが起こりそうな予感が漂う。ファンの期待感が高まる存在となった。

 昨季は109試合に出場し、キャリアハイとなる7本塁打、33打点。今季は一番打者としての起用が増えている。5月12日の日本ハム戦(エスコンF)では、相手エース・伊藤大海から、自身2本目となる初回先頭打者弾。3対3で迎えた6回二死には勝ち越しソロを放ち、プロ11年目にして自身初の1試合2本塁打をマークした。

 5月19日の日本ハム戦(ZOZOマリン)では3対3の同点で迎えた9回、左翼席へサヨナラソロ。月間5発目となる一発は、今季2度目のサヨナラ打となった。祝福のウオーターシャワーには「何回やってもやっぱり最高だなという気持ちになります」と笑顔。デーゲームでの劇的弾に「ヒロミサンセット」の新語も誕生した。

 7月1日現在、67試合に出場して打率.302、5本塁打、23打点、9盗塁をマーク。打率はリーグ3位に顔を出す。32歳にして初めてレギュラーの座をつかんだと言っていいだろう。吉井理人監督は「彼は思い切りの良いバッター。勝負どころですごいのを決めてくれる」と、その能力に高い評価を与えている。

「まだまだ満足することなく、しっかりやっていきたい。日々成長していきたいと思います」

 進化を止めないベテランは、これからもファンをワクワクさせ続ける。

【文責:週刊ベースボール】