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【2020セ・リーグ回顧】「僅差の勝負」を勝ち抜き巨人が独走でリーグ連覇、後半戦で別のチームのような強さを見せた中日

 復帰2年目のシーズンをリーグ連覇で終えた原辰徳監督は、10月30日の優勝決定後、「ギリギリの、僅差の勝負を続けてきた」と振り返ったが、ペナントレースだけで考えると、他を寄せ付けない圧倒的な強さでの独走優勝だった。事実、最終的に2位・阪神とは7.5ゲーム差。開幕4連勝でスタートダッシュに成功し、首位の座を明け渡したのはわずか2日間のみ。坂本勇人、岡本和真、丸佳浩で形成したクリーンアップが機能し、チーム総得点の532はリーグトップ。一方、先発ローテーションのやりくりには苦戦したが、開幕から13連勝のNPB記録を樹立した菅野智之を中心とした投手陣も、中継ぎ陣が奮闘を見せ、421失点、防御率3.34はリーグ最少。日本シリーズこそ振るわなかったが、投打がかみ合い、わずかな差を勝利に確実に結びつける強さが2020年の巨人にはあった。

 2位に食い込んだのは阪神だったが、開幕した6月は2勝8敗とスタートダッシュに失敗した。だが7月に入るとJ.マルテの故障で大山悠輔が四番に入り、二軍から新加入のJ.サンズが昇格。この2人の打棒が好調で14勝8敗2分と大きく勝ち越して一気に借金を返済する。サンズは得点圏打率が一時5割を超え、大山も28本塁打でリーグ2位、85打点も同3位に入る活躍を見せた。また、近本光司が31盗塁で2年連続盗塁王を獲得した。一方、投手陣もエース・西勇輝が11勝5敗、秋山拓巳も11勝3敗と先発陣が安定。クローザーのR.スアレスが25セーブを挙げたことが2位の要因となった。しかし、失策はリーグワーストの85を数え、投手の足を引っ張ることも。さらに巨人に対し8勝16敗と大きく負け越したことも独走を許した原因となった。

 与田剛監督が2年目の中日はシーズン序盤こそ下位に低迷したものの、後半戦はリーグトップの34勝で3位と8年ぶりのAクラス入りを果たした。その最大の要因となったのは最優秀防御率に最多奪三振、そして沢村賞を受賞した大野雄大の力投だ。祖父江大輔、福敬登はともに50試合以上に登板し、最優秀中継ぎをW受賞。抑えのR.マルティネスも21セーブでチームに白星を運んだ。一方でチーム打率は.252のリーグ4位と低調。70本塁打、429得点はリーグ最下位で迫力を欠いた。それでも大島洋平が2年連続で最多安打を記録し、高橋周平はプロ9年目で初の3割をマーク。来日5年目となる主砲D.ビシエドも四番に座って存在感を見せた。投打のバランスが良くなり、後半戦は前半戦とは別のチームのような強さを見せ、来季へつながる手ごたえをつかんだはずだ。

 DeNAは4位に終わったが、攻撃陣を中心に戦力がそろい、開幕前には優勝候補に名前が挙げられるほどだった。7月までは勝率5割をキープ。8月に貯金が増え2位に浮上、首位・巨人を追いかけるはずだった。しかし、8月中旬に先発投手の軸となっていた今永昇太と平良拳太郎が故障により相次いで登録抹消。これを契機にチームは順位をズルズルと下げ、3位転落。自慢の攻撃陣はチーム打率と本塁打ではリーグトップの破壊力を誇ったが、それを得点に結びつけることができず、投打がかみ合わない。シーズン終盤には、中日にもかわされ2年ぶりBクラスでシーズンを終えた。今季限りで契約の切れたA.ラミレス監督は退任し、来季は三浦大輔新監督が指揮を執る。

 投手出身の佐々岡真司新監督で臨んだシーズン。打撃陣は、鈴木誠也が5年連続3割&25本塁打を達成、堂林翔太が覚醒するなど、いずれもリーグ2位のチーム打率.262、523得点だったが、投手陣がいずれもリーグ5位の529失点、防御率4.06と崩れた。シーズン前半はT.スコット、菊池保則、一岡竜司と、指名した選手が次々と逃げ切りに失敗してクローザーが固められず、そこがようやく固まった後半戦には、大瀬良大地、K.ジョンソンら先発陣から戦列離脱者が続出。ルーキー・森下暢仁は10勝と踏ん張ったが、チームは5年ぶりの負け越しで5位に沈んだ。守備では菊池涼介が1年間無失策、二塁手のシーズン連続無失策セ・リーグ記録を更新した。

 高津臣吾監督が就任1年目のヤクルトは最下位に沈んだ。開幕直後こそ、若き主砲・村上宗隆を四番に据える打線がうまく機能し、最長2連敗と大きな連敗もなく上位をキープした。しかし、7月下旬には主軸の山田哲人が故障や不調で二軍降格。序盤は快音を連発した西浦直亨や、一時はクリーンアップにも座った山崎晃大朗のバットが湿り出すと、青木宣親や村上は勝負を避けられ、なかなか得点につなげられない。石川雅規や小川泰弘、A.スアレス、清水昇ら救援陣が粘りの投球を見せても、援護がなく敗れる試合が続いた。8月に2度の5連敗で最下位に沈むと、浮上のきっかけをつかむこともできない。結局、両リーグワーストの69敗を喫し、2年連続の最下位となってしまった。

【文責:週刊ベースボール】