2024年を迎えて
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年のプロ野球は、3月に行われた「第5回 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」での世界一奪還から始まりました。日本中が歓喜し、野球への関心が一気に高まる中開幕したペナントレースでは、2500万人を超えるお客様が球場に足をお運びくださいました。4年ぶりに声出し応援が可能となった各球場は毎試合大歓声に包まれ、ファンの皆様の熱いご声援が選手たちの大きな力になったことは言うまでもありません。
ファンの皆様の後押しを受け各球団が全力を尽くしたペナントレースは、阪神タイガースとオリックス・バファローズが他球団の追随を許さない強さを見せてリーグ優勝を果たし、両球団による「SMBC日本シリーズ2023」は59年ぶりの‶関西対決″として話題を集め、大接戦の末に阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝きました。優勝を逃した球団もクライマックスシリーズ進出をかけて激しい争いを繰り広げ、最後まで諦めずに戦い抜く姿を見せてくれました。WBC制覇を追い風に、野球の魅力、面白さをたくさんの方々にご覧いただけた1年であったように思います。
一方で、ファンの皆様の信頼を裏切る事案が起きたことも決して忘れてはなりません。二度と同じ過ちを繰り返さぬよう、ハラスメント防止やコンプライアンスの徹底という重要課題に球界全体で取り組んでまいる所存です。また、プロ野球を取り巻く社会環境が時代とともに変化していく中、プロ野球をより魅力あるものに発展させていかなくてはならない、という思いを新たにしております。
1934年に日本のプロ野球が誕生して今年で90周年を迎えます。長年にわたり多くのファンの皆様の温かいご声援と、時に厳しい叱咤激励に支えられ、昭和・平成・令和という時代を歩んでまいりました。2024年のペナントレースにおいても更なる熱戦が展開され、新たな歴史が刻まれることでしょう。秋には「第3回WBSCプレミア12」の開催も予定されており、大会連覇を目指す侍ジャパンにも是非ご注目ください。
ファンの皆様のご期待にお応えすべく、12球団・NPB関係者一同が一丸となって一層の努力を重ねてまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人日本野球機構会長
日本プロフェッショナル野球組織コミッショナー
榊󠄀原定征