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【コラム・交流戦見どころ】首位快走のソフトバンクをセ・リーグ投手陣が止められるか。好調の広島は「鬼門の交流戦」がカギに

「日本生命セ・パ交流戦2024」は5月28日に開幕し、6月16日まで計108試合の熱戦が繰り広げられる。過去18回の通算成績ではパ・リーグが1253勝1122敗73分と大きく勝ち越し。05年から19年までの15年間はパ・リーグが09年を除き、14シーズンで勝ち越したが、近年は実力が拮抗している。21年は49勝48敗11分、22年は55勝53敗でセ・リーグが2年連続勝ち越し、昨年はパ・リーグが54勝52敗2分と僅差で勝ち越したが、DeNAが史上初の交流戦優勝を飾った。今季は首位を快走するソフトバンク、春先から快進撃を繰り広げる日本ハム、2位の好位置につけるが交流戦を苦手とする広島の戦いぶりが注目される。交流戦の成績はペナントレースの行方にも大きく影響する。各地で白熱した試合が繰り広げられることは間違いない。

 セ首位の阪神は、佐藤輝明が精彩を欠き登録抹消、四番の大山悠輔も打撃の状態が上がっていないが、強力投手陣を軸に守り勝つ野球で1点差試合は13勝5敗と接戦に強い。青柳晃洋、伊藤将司は不安定な投球でファームに降格したが、才木浩人の存在が大きい。5勝1敗、防御率1.54の好成績でエース格に。村上頌樹、大竹耕太郎、西勇輝、ビーズリーも好投を続けており、先発陣は12球団トップクラスの陣容だ。日本一に輝いた昨年だが、交流戦は7勝10敗1分で10位と苦戦した。今年は打線の奮起がカギを握りそうだ。

 セ2位の広島はリーグ最少の106失点と安定した投手陣、内外野の堅守が際立っている。打線も四番に抜擢された小園海斗が得点圏打率.462と驚異的な勝負強さを発揮。和製大砲の末包昇大が故障から復帰したことで打線の厚みが増している。貯金5と順調な戦いぶりだが、鬼門の交流戦をどう乗り越えるかが大きなポイントになる。最下位を6度味わうなど、通算成績は166勝227敗15分と大きく負け越し。昨季は9勝9敗だった。今季は失速せず、堅守と機動力を武器とする赤ヘル軍団の本領発揮となるか。

 セ3位の巨人は113得点がリーグワースト。門脇誠、萩尾匡也ら若手の奮起が期待される中、投手陣が奮闘して貯金2と踏ん張っている。打線の核として活躍してもらわなければ困る選手が、四番の岡本和真だ。昨年の交流戦は打率.383、8本塁打、19打点。本塁打、打点は12球団トップだった。交流戦最初のカードとなるソフトバンク戦は通算27勝41敗と大きく負け越しているが、昨年は2勝1敗と勝ち越した。相手の強力打線を封じ込めれば勝機を見いだせる。投手陣を引っ張る小林誠司、岸田行倫のリードに要注目だ。

 セ4位の中日は開幕ダッシュに成功し、貯金7で首位に浮上した時期も。その後に失速したが、総合力は2年連続最下位に低迷した昨季より格段に上がっている。村松開人、田中幹也の二遊間コンビが攻守に奮闘し、細川成也が四番で打線の軸になっている。和製大砲・石川昂弥も存在をアピールし、故障で離脱している中田翔、高橋周平が戻ってくれば打線はさらに強力になる。投手陣は髙橋宏斗が昨季の交流戦で3試合登板し、史上5人目の防御率0.00を達成した。今年もチームを勢いづける投球が期待される。

 セ5位のDeNAは連勝、連敗が続き、借金3と勢いに乗れない。昨季初優勝を飾った交流戦で良いきっかけにできるか。牧秀悟は右太もも裏の肉離れで戦列を離れたが、宮﨑敏郎、佐野恵太、オースティンに加え、シーズン途中に日本球界復帰した筒香嘉智と強打者が並ぶ打線は破壊力十分。命運を握るのは投手陣か。昨年は交流戦で11勝を挙げたが、バウアーが3勝、今永昇太が2勝と昨季限りで退団した2投手が半分近くの白星を稼いだ。先発陣が踏ん張り、試合の主導権を握りたい。

 セ6位のヤクルトは村上宗隆、オスナ、サンタナの強力クリーンアップを擁するが、塩見泰隆、丸山和郁と故障者が相次ぎ、一、二番を固定できず試行錯誤が続いている。借金8と低迷しているが、巻き返すチャンスは十分にある。交流戦は昨季7勝11敗で11位と苦戦したが、22年は14勝4敗で2度目の優勝を飾っている。同年は貯金を大幅に増やした交流戦の勢いを持続し、リーグ連覇を達成した。キーマンは山田哲人か。今季打率.186、1本塁打は物足りない。上位浮上に向け、再び輝きを取り戻せるか。

 パ1位のソフトバンクは首位を快走。交流戦前最後のカードとなったロッテ戦で今季初の同一カード3連敗を喫したが、貯金16で2位の日本ハムに4.5ゲーム差をつけている。山川穂高の加入で打線に厚みが増し、12球団屈指の強力打線を構築。投手陣も安定しており、松本裕樹、藤井皓哉、杉山一樹、津森宥紀ら強力リリーバーから守護神・オスナにつなぐ勝利の方程式は盤石だ。交流戦は12球団最多の8度優勝。通算239勝151敗18分、勝率.613と圧倒的な強さを誇る。今年も得意の交流戦で勢いをさらに加速できるか。

 パ2位の日本ハムは最も勢いのある球団だろう。万波中正、田宮裕涼、金村尚真、福島蓮と若手の成長株が次々に台頭。田中正義、マルティネス、郡司裕也ら他球団から補強した選手たちも輝き、貯金7の好位置をキープ。新庄剛志監督が就任した22年から2年連続最下位だったが、今年は選手層が厚くなり「勝つ集団」に進化している。交流戦優勝は1度のみだが、通算成績は211勝186敗11分で勝率.531は12球団で3番目に高い。今季はセ・リーグ相手に躍動感あふれる野球で白星を積み重ね、ソフトバンクとの差を詰めたい。

 パ3位のロッテは5月に入り13勝4敗2分と絶好調。ソフトバンクに同一カード3連勝を飾り、2つの引き分けを挟み8連勝で貯金を最多の6に増やし、最高の状態で交流戦に入る。小島和哉、佐々木朗希、メルセデス、種市篤暉、西野勇士と先発に力のある投手がそろい、救援陣は鈴木昭汰が19試合に投げ、8ホールド3セーブで防御率0.00と活躍が際立っている。益田直也、澤村拓一と経験豊富なベテランの存在も心強い。交流戦は初年度の05年から2年連続王者に。熱狂的なファンの大声援を背に受け、今年も強さを発揮するか。

 パ4位のオリックスは、リーグ4連覇を狙うシーズンで借金6と苦しい戦いを強いられている。昨季の首位打者・頓宮裕真、FAで加入した西川龍馬、長距離砲・杉本裕太郎の状態が上がらず、投手陣も左右のエースとして期待された宮城大弥、山下舜平大が故障で戦列を離れている。首位・ソフトバンクと現在11ゲーム差。これ以上突き放されないためにも、交流戦で白星を積み重ねたい。森友哉、紅林弘太郎、宗佑磨、中川圭太らが先頭に立ち流れを変えられるか。救世主となる若手成長株の台頭にも期待したい。

 パ5位の楽天は5月21、22日のソフトバンク2連戦で計33失点を喫したことが話題となったが、投打で力のある選手たちがそろっている。歯車がかみ合えば、借金完済が見えてくる。交流戦をそのきっかけにできるか。打線のキーマンは浅村栄斗だろう。三塁にコンバートされた今季は打率.227、4本塁打と状態がなかなか上がってこない。昨季の交流戦は打率.333、3本塁打、9打点をマークしており復調に期待したい。今季登板なしの田中将大はあと3勝で日米通算200勝を達成する。交流戦で復活なるか注目される。

 パ6位の西武は4月に7連敗、5月に8連敗を喫するなど最下位に低迷。得点力不足が深刻で、投手陣も持ちこたえられなくなる悪循環に陥っている。松井稼頭央監督が休養し、渡辺久信GMが交流戦初戦から監督代行として采配を振るうことが決まった。昨年の交流戦は6勝12敗で12位と苦しんだが、今年は巻き返せるか。中村剛也は交流戦通算79本塁打&211打点でいずれも歴代トップ。40歳の和製大砲に今年も大きな期待が掛かる。

【文責:週刊ベースボール】