「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が開催。巨人・菅野智之が4年ぶり3度目、ソフトバンク・近藤健介が初のMVP、新人王には巨人・船迫大雅、西武・武内夏暉が選出
2024年のプロ野球を締めくくる年間表彰式「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が11月26日に都内ホテルで開催された。
MVPに選ばれたのはセ・リーグが菅野智之(巨人)、パ・リーグが近藤健介(ソフトバンク)。菅野は2020年以来4年ぶり3度目、近藤は初受賞となった。
投手で3度受賞は山田久志(阪急)、山本由伸(オリックス)に並ぶ歴代最多タイとなった菅野。今季は15勝、勝率.833でタイトルに輝き、4勝に終わった昨年から見事な復活を果たした。7月28日のDeNA戦(横浜)では1199日ぶりの完封勝利をマークし、シーズン終盤は中4日で先発するなどフル回転を果たして4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。「自分自身、まだまだやれるんだということを信じて昨年のオフからトレーニングや自分自身を見つめ直す時間に費やしてきました。日本シリーズに行けなかったのは本当に悔いが残りましたけど、それも含めて素晴らしい経験をさせていただいて、自分の野球人生で忘れられないシーズンになりました」。海外FA権を行使して、来季はメジャー・リーグに活躍の舞台を移すが、“日本ラストシーズン”は充実の1年となった。
持ち前のシュアな打撃で4年ぶりのリーグ優勝の原動力となった近藤。今季は129試合に出場して打率.314、19本塁打、72打点をマーク。自身初の首位打者を獲得したが、3割打者はパ・リーグでは唯一と「投高打低」の中でもバットが錆びつくことはなかった。「プロ入り当初はこういう賞をいただけるとは思っていなかったので、本当に光栄です。もっと精進して、自分の技術を磨きたいと思えるような賞だと思います。初めてアワーズに出席したのが2018年。そのときにMVPの方を見て、いつかは獲りたいと思っていたので。時間はかかってしまいましたけど、獲ることができてうれしいです」。常に進化したいという思いを持ち続ける近藤。来季も卓越した打撃技術でチームに勝利を呼び込む。
セの新人王に輝いたのは船迫大雅(巨人)。球団では2022年の大勢以来、2年ぶり21人目の受賞となった。2年目右腕はリリーフとして勝利の方程式、ワンポイント、僅差の場面など、あらゆる状況で起用された。51試合に登板し、4勝0敗22ホールド、防御率2.37をマーク。頂点に立ったチームで欠かせない存在となった。「143試合ベンチ入りすることができたので頑張ったかなと思います。新人王を獲れたことに満足せず、タイトルを狙っていきたいです」。さらなる飛躍を果たして、絶対的なリリーバーへと成長していく。
パはルーキー左腕の武内夏暉(西武)が新人王に輝いた。昨秋のドラフトで3球団が競合した逸材は開幕先発ローテーションに入り、10勝をマーク。9月16日のロッテ戦(ベルーナドーム)では7回までパーフェクト投球でプロ初完封勝利を達成。防御率2.17はリーグ2位と新人ながら抜群の安定感を誇った。「今年の目標であった新人王を獲得できて、とても光栄に思います。体調不良などもあり1年間先発で回ることができなかったので、来年は1年間ローテーションを守って今年以上の成績を目指します。イニングもあと20回ぐらい投げたい」。高みを志す姿勢は忘れない。来季はさらに進化した姿を見せてくれそうだ。
連盟特別表彰では最優秀監督賞に阿部慎之助監督(巨人)、小久保裕紀監督(ソフトバンク)の両リーグ優勝監督が選ばれた。さらにプロ野球新記録を達成した中村悠平(ヤクルト、捕手の連続守備機会無失策「1897」)、岡大海(ロッテ、8試合連続二塁打)、辰己涼介(楽天、外野手のシーズン最多刺殺「397」)には特別賞、今季限りでユニフォームを脱いだ青木宣親(ヤクルト)、和田毅(ソフトバンク)には功労賞が贈られた。正力松太郎賞はシーズン3位から日本一に駆け上がったDeNAを率いた三浦大輔監督が初受賞。さらに、ドジャース移籍1年目の今季、メジャー初の「50本塁打、50盗塁」を達成し、世界一に輝いた大谷翔平には2年連続3度目の正力松太郎賞特別賞が贈られた。