【パCSファイナルS展望】データは王者・ソフトバンクが圧倒的に有利、日本ハムは好調な打線に活路を見出せるか
パ・リーグの「2026 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージが10月14日から行われ、1位・ソフトバンクがファーストステージを突破した3位・日本ハムをみずほPayPayドーム福岡にて3年連続で迎え撃つ形となった。
昨季の対戦を振り返ると、2連覇中の王者・ソフトバンクは、日本ハムに第6戦(最終戦)まで追い詰められたものの、最後は地力の違いを見せ、2対1と勝利を飾っている。その後、日本シリーズで阪神を下し日本一に輝いているのは記憶に新しいところだ。
今季のレギュラーシーズンでの対戦成績を振り返ると、ソフトバンクが圧倒している。25試合で18勝5敗2分、打率は.291(日本ハムは.235)にのぼり、31本塁打は同数だが、155得点(同87)はほぼ倍で、1試合平均6.20得点は驚異的だ。
投手陣がチームをけん引した2025年とは逆に、今季のソフトバンクは打線が活発だった。最多本塁打(40)、最多打点(118)の2冠に輝いた四番の栗原陵矢、打率.309、151安打、32本塁打、108打点と軒並み好成績を上げ、最高出塁率(.431)のタイトルを2年ぶりに獲得した近藤健介が打線の中心。シーズン途中から一番に抜擢された正木智也は、打率こそ.274だが、28本塁打を放っている。先頭打者本塁打は7本あり、強力打線の切り込み隊長を全うした。2026年のホークス打線の顔の1人と言って差し支えないだろう。下位に昨季の首位打者・牧原大成や、DeNAから途中加入の山本祐大が配置されるなど、打線に切れ目がない。
気掛かりがあるとすれば、クライマックスシリーズに向けて左膝の治療のためにレギュラーシーズン終盤に登録を抹消された周東佑京の回復具合と、持病の首痛が再発した柳田悠岐の出場の可否だろう。前者は順調な回復が見込まれているが、後者は小久保裕紀監督が第1戦の欠場を示唆するなど、雲行きは怪しい。30盗塁で4年連続5度目の盗塁王に輝いた周東、3年ぶりに規定打席に到達し、リーグ3位となる打率.302をマークしつつ、勝負強い打撃で70打点を挙げた柳田は大きな戦力なだけに、今後の動きが注目される。
ただし、主力が抜けてもこれをカバーする選手が控えているのがソフトバンクの強みだ。レギュラーシーズンは不調で二軍調整もあった実績十分の山川穂高、昨季のタイトル保持者(最高出塁率)ながら今季は控えに回ることも多かった柳町達など、充実のラインアップを誇る。仮に柳田が合流となっても、最も状態の良い選手が起用されることが予想される。
レギュラーシーズン3位ながら、ファーストステージで2位・西武を1敗から2連勝で破った日本ハムには勢いがある。CSが開催された2007年以降、昨年までのファーストステージの第1戦に勝利したチームのファイナルステージ進出は、パ・リーグで18回中15回の83.3パーセント。つまり、16.7パーセントしかない。奇跡と言える確率を勝ち抜いた。
ただし、試練は続く。レギュラーシーズンでのソフトバンクとのゲーム差は「13.0」。このため、「優勝球団とファーストステージ勝者のゲーム差が10ゲーム以上」はアドバンテージとして優勝チームに2勝が与えられ、7試合制に。先に5勝したチームが日本シリーズ進出となるが、ソフトバンクに必要な勝利数は3勝(アドバンテージ2勝除く)に対し、日本ハムは5勝だ。
前述のとおり、投手陣は軒並みソフトバンク打線に打たれており、チーム全体の対戦防御率は5.70(先発=5.90、リリーフ=5.42)。投手戦に持ち込む展開は想像できない。王者を引きずり下ろすには、攻撃陣の奮起が必要不可欠となる。対ソフトバンクの本塁打数(31)は同数で、1試合平均3.48得点は決して悪い数字ではない。
個人の対ソフトバンク成績を見てみても、清宮幸太郎(打率.288、23安打、5本塁打、12打点)、F.レイエス(同.308、28安打、5本塁打、11打点)、万波中正(同.324、22安打、3本塁打、7打点)、野村佑希(同.296、21安打、5本塁打、15打点)と中軸を打つ選手たちが軒並み好成績を収めている。短期決戦ゆえに、彼らの奮起でまず2勝。タイに持ち込めれば、本拠地開催だとしても、王者に焦りが生じる。開幕直後の2戦がカギだろう。
ソフトバンクが王道を突き進むのか、新庄剛志監督率いる日本ハムがレギュラーシーズンの悔しさを短期決戦で晴らすのか。注目のファイナルが間もなく開幕する。
【文責:週刊ベースボール】

