SMBC日本シリーズ2014第2戦は初回から試合が動いた。福岡ソフトバンクの一番・柳田悠岐が中前打で出塁すると二番・今宮健太の犠打で二進。続く三番・内川聖一がレフト前に落として、わずか5球で鮮やかに阪神先発・能見篤史から1点を先制した。続く四番・李大浩は併殺打に倒れたが、4回、能見にリベンジを果たす。一死後、打席に入ると初球のスライダーをとらえ、豪快に左翼席へ運ぶ。「手ごたえは十分だった」と納得の今シリーズ初本塁打で、チームに貴重な追加点をもたらした。
さらに、チームに大きな力となったのは21歳右腕・武田翔太だった。猛打を誇る阪神打線に対し、堂々たるピッチングを展開。長身から投げ下ろす、140キロ台後半の角度あるストレートに、120キロ台の曲がりの大きいカーブ。セ・リーグにいないタイプのピッチャーが駆使する緩急に、阪神打線はまったくタイミングが合わない。
猛虎ファンで埋め尽くされた甲子園球場のマウンド、そして日本シリーズという大舞台も初体験だったが臆することなく投げ込む。6回二死までパーフェクトの快投でチームに勢いを与えた。その6回、二死から狩野恵輔に初安打を打たれ、続く西岡剛にタイムリー二塁打を浴びて1点を失ったが動揺することなく、7回も無失点。この回限りでマウンドを降りたが、7回3安打1失点は予想以上の投球内容だった。
8回からは福岡ソフトバンクが誇る強力救援陣が登板。セットアッパーの五十嵐亮太は二死一、二塁のピンチを招くも上本博紀を力で中飛にねじ伏せ、クローザーのサファテにつなぐ。剛球を誇る外国人右腕も二死二塁と一打同点のピンチを招くも、福留孝介を空振り三振に斬って取り、ガッツポーズ。1点差を守り切り、2対1で勝利した福岡ソフトバンクが1勝1敗のタイに持ち込んだ。
敵地・甲子園で貴重な白星をつかみ取った福岡ソフトバンク・秋山幸二監督は好投した武田を「度胸がある。自分のピッチングができたと思います」と褒め称えた。一方、阪神・和田豊監督は「目いっぱいやった結果。悲観することはない」と話し、さらに「また福岡でチャレンジャーとして戦っていく」と次なる戦いを見据え、気持ちを切り替えた。
2014年10月26日(日)
甲子園 ◇開始 18:18 (2時間57分) ◇入場者 45,259
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
福岡ソフトバンク | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 0 |
阪 神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 |
[ソ] | ○武田(1-0)、五十嵐、(S)サファテ(1) - 細川 |
---|---|
[神] | ●能見(0-1)、高宮、安藤、松田 - 鶴岡、藤井、梅野 |
[ソ] | 李大浩 1号(4回1点 能見) |
---|