ホーム・マツダスタジアムで2連勝を飾って勢いに乗る広島東洋ナインが空路で札幌入り。チームは移動休日になったが、黒田博樹、岡田明丈、ジョンソンの3投手だけは15時30分過ぎから札幌ドームで練習を行った。とくに第3戦の先発が決定している黒田は入念なアップ、バランスボールを使ったストレッチ、キャッチボールを行った後、実際のマウンドで捕手を座らせ、ストレート、変化球を交えながら24球の熱の込もったピッチングを披露し、約1時間にわたって汗を流した。今シーズン限りでの現役引退を表明している大ベテラン。いよいよ北の大地で日本中が注目する集大成のマウンドに上がる。
また、チームにうれしいニュースが飛び込んできた。ジョンソンが外国人投手としては52年ぶりとなる沢村賞を獲得。現場で報道陣の取材に応じて「本当に光栄ですし、感激しています。ただ、この賞は私だけで獲れるものでなく、一緒にずっとバッテリーを組んできた石原(慶幸)と2人のチームで獲った賞です」と、絶大な信頼を寄せる女房役に感謝の言葉をつむぎながら、喜びの笑顔を見せた。
一方の北海道日本ハムナインも同じく空路で札幌に入り、この日は練習を行わずに静養に努めた。敵地で2連敗を喫したものの地元に戻ってきたからか、監督や選手たちに緊張感はあるものの悲壮感はなし。シーズンどおりの最後まであきらめない野球で、本拠地・札幌ドームのファイターズファンの大声援を背にここからの巻き返しを誓っていた。