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日本野球機構オフィシャルサイト

NPBアンチ・ドーピングガイド2017

7.大切な日常生活 -ドーピング検査で陽性とならない心がけ

「今日の試合後、ドーピング検査をします」といわれてから、急に何かできるものではありません。だからこそ、日々の生活、つまり日常での注意が大切になります。

「自分はドーピングなんかしていない」と思っていても、ドーピング検査で禁止物質が検出されることは「ありえる」のです。

たとえば、「これは大丈夫」と思ってのんでいる薬やサプリメントにドーピング禁止物質が含まれていることがあるのです。

また、「絶対大丈夫」であるスポーツドリンクや水であっても、気をつけていないと、だれかが禁止物質をひそかに入れないともかぎりません。

この項では、こういった日常生活で注意すべきことをあげてみました。

薬について

頭痛、腹痛、風邪などで薬をのむのは一般的なことです。病院など医療機関で薬をもらうこともあれば、薬局で購入することもあるでしょう。

その薬にドーピング禁止物質が含まれていることがあります。

『選手手帳』に「使ってよい薬のリスト」、「特に気をつけたい一般用医薬品(OTC医薬品)」の一覧を掲載しましたので、それをみていただくとわかるのですが、心配のない薬と注意が必要な薬があります。購入、使用する場合は、問題がないかどうかたしかめてからにしましょう。しかし、自分ではよくわからないことも多いので、薬については、トレーナーかドクターに確認してから使用するようにしてください。

注意が必要なもの

〔風邪薬と胃腸薬〕

たとえば、市販の風邪薬(総合感冒薬)の多くには禁止物質であるエフェドリン等が含まれていますし、市販の胃腸薬には興奮剤(禁止物質)であるストリキニーネを含むものがあります。どちらも簡単に手に入りますし、だれかが親切でくれる場合もあります。「せっかくだから」と安易な気持ちで使うと、ドーピング検査で禁止物質が検出されることになりますので、十分注意してください。

〔滋養強壮薬〕

「元気になるから」と使う人がいますが、蛋白同化剤(テストステロン)やストリキニーネなどが含まれている可能性があります。プロ野球選手は使用しないほうがよいでしょう。

〔毛髪・体毛用薬〕

市販の体毛用薬には男性ホルモンが含まれているものがあり、これも禁止物質ですから要注意です。

〔せきどめ、タンの薬〕

これらの薬にはベータ2作用薬が含まれているものがあります。これも禁止物質ですから、要注意です。

〔漢方薬〕

「漢方薬は大丈夫だろう」と考える人もいますが、漢方薬にも禁止物質が含まれるものがあります。たとえば葛根湯(かっこんとう)という漢方の風邪薬には禁止物質であるエフェドリンを含む麻黄(まおう)が入っています。

このように漢方薬でもけっして安心しないで、必ずチームドクターに相談してから使用するようにしてください。

その他、ぜんそく、痛風(つうふう)、高血圧などで用いる薬にも禁止物質が含まれていることがありますので、注意してください。病院などで処方してもらった場合は、診察してくれたお医者さんでもドーピングについてはわからないことも多いので、チームドクターなど詳しい人に聞いてから使用してください。(次項に「病気やケガの場合」について説明してあります)

また、前述のとおり、親しい人であっても、だれであっても「この薬、よく効くよ」とすすめられた場合も安易に使用してはいけません。「本当に大丈夫か?」といったんは疑う姿勢が必要です。自分で判断できることではないので、やはり専門のドクターに相談してからにしましょう。

サプリメント(栄養補助食品)について

一般にはサプリメントと呼ばれる栄養補助食品は、あくまで「食品」ですから、基本的にドーピング禁止物質を含んでいません。しかし、外国のサプリメントなどで成分がはっきりしなかったり、成分表に記されたもの以外の物質が含まれていることがあり、注意が必要です。その物質が禁止物質であるということもありえるのです。ですから「ビタミン剤だから」とか、「プロテインだから」と簡単に判断するのは禁物です。たしかにビタミン剤であったり、プロテインであったりするのですが、禁止物質も混合されていることがあるのです。「わからないものは口にしない」、これが原則です。

「これをのむと、集中力が増す」とか「疲れたときは、これで一気に元気が出る」などといわれて、すすめられたものが、実は禁止物質を含むものだったということもありえます。つい手が出そうになりますが、十分注意する必要があります。効き目が強いものほど要注意といってよいでしょう。

口にするものは自分でしっかり管理

めったに起こることではありませんが、だれかがあなたを「ドーピング陽性者」にしようと思っているかもしれません。自分がのむスポーツドリンクやお茶、水などのペットボトルはしっかり自分で管理しましょう。

たとえば、不特定多数の人間が出入りするような施設でトレーニングを行う場合、自分が使用しているペットボトルなどをその辺に無造作に置いておくのは危険です。だれか信頼できる人に預けるか、だれも手を触れることができないように注意する必要があります。「そんなことをする人はいないだろう」と思うかもしれませんが、何が起こるかわからないと考えるリスクマネジメントが必要です。あまり人を疑うことはよいことではありませんが、用心のうえにも用心が大切です。