7月19日、2017年以来6年ぶりにバンテリンドームで「マイナビオールスターゲーム2023」第1戦が行われた。
試合に先立って行われたホームランダービーでは初戦で細川成也(中日)と中村剛也(西武)、牧秀悟(DeNA)と杉本裕太郎(オリックス)が対戦すると細川、牧が勝ち抜き準決勝へ。元同僚対決は4本ずつで並び、延長戦に突入するも、鋭いスイングが衰えなかった細川が3対0で牧を下して決勝進出を決めた。
夢の球宴はセ・リーグが村上頌樹(阪神)、パ・リーグが佐々木朗希(ロッテ)の先発でプレーボール。パが村上の立ち上がりに襲い掛かった。初回、先頭の外崎修汰(西武)、近藤健介(ソフトバンク)の連打で一、二塁とすると三番・松本剛(日本ハム)が右翼へ先制タイムリー。さらに柳田悠岐、栗原陵矢(ともにソフトバンク)の中前適時打が飛び出し、一死一、三塁からは頓宮裕真(オリックス)の遊ゴロの間に1点。いきなり計4点を挙げるビッグイニングで試合の主導権を握った。
一方の佐々木朗は観客を魅了した。「全部三振を取ろう」と意気込んでいたが、先頭の中野拓夢(阪神)を3球連続フォークで空振り三振に仕留めると、続く秋山翔吾(広島)もスライダーで空振り三振。ノイジー(阪神)には中前打を浴びて野望を果たせなかったが、161キロを2度計測。球宴記録の163キロ超えを果たせず「ちょっと球場はしらけていましたけど」と冗談めかしたが、1回無失点2奪三振のピッチングにファンは酔いしれた。
2回には“珍場面”も飛び出した。二死から近藤が左翼フェンス直撃の当たりを放つと、一気に二塁を狙う。だが、打球を処理した左翼のノイジーが二塁へ好返球。際どいタイミングとなったが判定はセーフに。ここでセのベンチがリクエスト。お祭りの舞台で異例の要求だったが、リプレー検証の末、判定が覆ってアウトとなった。
チャンスがついえたパだが、すぐにやり返す。3回、四番のバットから特大弾が生まれた。「いいスイングだけをしようと考えて入りました」。シンプルな思考で打撃に立った柳田が一死から小笠原慎之介(中日)の内角直球を豪快にフルスイング。打った瞬間スタンドインを確信するソロでパが5点目。攻撃の手を緩めないパは6回にも頓宮の右犠飛、源田壮亮(西武)の適時二塁打で2点を追加し、7回には万波中正(日本ハム)が右翼ポールを直撃する一発を放ち、8点目とセを突き放していく。
2回からパは山本由伸(オリックス)、田中将大(楽天)、和田毅(ソフトバンク)、山﨑福也、山﨑颯一郎(ともにオリックス)が1イニングずつ投げたが、セはこの豪華リレーの前に得点を奪えない。7回、田中正義(日本ハム)から宮﨑敏郎(DeNA)がソロを放って1点を返したが、9回は加藤貴之(日本ハム)の前に三者凡退。投打がかみ合ったパが8対1と快勝した。
最優秀選手賞(MVP)は本塁打を含む2安打2打点の柳田が選ばれた。2年連続でMVP受賞となったが、これは1998年第2戦、99年第1戦の松井秀喜(巨人)以来24年ぶりの快挙だ。「うれしいです。運がいいと思います」と柳田は笑顔を浮かべ、本塁打に関しては「奇跡です。いいバッティングができました」と振り返った。
敢闘選手賞は近藤、万波、宮﨑が受賞。柳田はマイナビドリーム賞にも選ばれた。パがセを圧倒した夢の球宴。「マイナビオールスターゲーム2023」第2戦は7月20日、マツダスタジアムで行われるが、セが意地を見せることができるか。
2023年7月19日(水)
バンテリンドーム ナゴヤ ◇開始 18:35 (2時間31分) ◇入場者35,437人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
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パシフィック・リーグ | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 8 | 15 | 0 |
セントラル・リーグ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 |
[パ] | ○佐々木朗(M)、山本(B)、田中将(E)、和田(H)、山﨑福(B)、山﨑颯(B)、田中正(F)、加藤貴(F) - 若月(B)、マルティネス(F) |
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[セ] | ●村上(T)、小笠原(D)、東(DB)、岩崎(T)、清水(S)、山﨑(DB)、マルティネス(D) - 梅野(T)、大城卓(G) |
[パ] | 柳田(H) (3回ソロ 小笠原)、万波(F) (7回ソロ 清水) |
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[セ] | 宮﨑(DB)(7回ソロ 田中正) |