NPBとJICAが野球普及・振興事業に関して連携協力することを発表
一般社団法人日本野球機構(NPB)と独立行政法人国際協力機構(JICA)は26日、野球普及・振興事業に関して連携協力することを発表し、都内のNPB事務局で会見を行いました。
この連携協力は、海外での野球普及・振興、野球を通じた青少年の健全な育成を目的としたもので、プロ野球12球団とNPBが制作した「みんなが輝くやさしいベースボール型授業」指導用教材を活用し、開発途上国で活動するJICAボランティアが野球指導と野球を通じた青少年育成を行います。
また、NPBが主催する教員のための「ベースボール型」授業研究会などへのJICAボランティアの受け入れや、学生野球資格回復制度研修会でプロ野球選手OB向けにJICAボランティアへの応募勧奨なども行います。
すでに指導用教材100冊はJICAボランティアに配布され、開発途上国での野球指導に役立てられており、さらに今月には英語版150冊、スペイン語版630冊を、コスタリカ、ボリビアをはじめとした中南米地域を中心に配布予定です。
JICA青年海外協力隊・小川登志夫事務局長(左)とNPB井原敦事務局長
【参考】JICAボランティアからの指導用教材活用報告書の内容抜粋
- 実施国
ブラジル、アルゼンチン、ガーナ、ニカラグアなどの5か国9地域 - 活動報告
- 野球未経験者、初心者を対象として活動、野球の楽しさを体感して興味を持ってもらうことをテーマに取り組んでいる。
- 野球におけるアウト、セーフ、得点、連携などの概念を体験的に学んでもらうため、教材に記載されていた、ゲーム形式の練習を取り入れた。また年齢や、学年に合わせて簡略化された練習メニューが記載されていたため、授業の参考にすることができた。
- 「1、2、3..」とカウントしながらボールを投げた女の子は、向こうにいる友達に初めてボールが届き、「できた!」と満面の笑顔に。より遠くに投げる・より強く打つ姿勢を発見した子どもたちは、普段より積極的に授業に参加している。
- 子ども達が全員、楽しく授業を受けていたことだけではなく、現地の先生が、テーマに沿った授業計画や、学年による指導の違い、個別指導などについても学べた。
- 野球を知らない子どもに対して楽しく、興味を持たせるような指導法が載っているところがとてもよい。また、安全面を考えてプレーさせることを求めているところを参考にしたい。
- 10歳前後のチームまた初心者指導の際に活用した。特に打ち方、投げ方、捕り方などはしっかりと基本を教えることのできるコーチが不足していることもあり多くの場面で活用することができた。
- サッカーに人気があることもあり、「ボールを蹴る」ということに慣れていても「投げる」ということには慣れていない。教えるにも言葉だけでは理解できない子も多く今回の教材のようにイラスト付きのものでは子どもの理解するスピードがはやく、技術の習得具合が大きく変わったと感じた。