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【コラム】12年ぶり開幕勝利を呼び込んだオリックス・山本由伸、究極の目標は「毎試合、完全試合することです」

 昨年は最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、勝率第一位の“投手4冠”に輝き、MVP、そして沢村賞を獲得したオリックスの山本由伸。25年ぶりリーグ優勝の立役者となった最強右腕が3月25日、西武との開幕マウンドに立った。2年連続の大役。1年前の開幕戦は同じ敵地で西武と対戦して勝利を飾れなかった。「多少、力みはあったと思います。投げているときは、いつもどおりできていた気がしていたんですけど、振り返ってみると力んでいたな、と。昨年の開幕戦は調子が良くはないなと思っていましたが、それが何でなのかは分からなくて。今では特別な試合、特別な雰囲気はあったのかなと思うんですよね」と振り返っていたが、今年は目に見えない“重圧”を振り払った圧巻のピッチングだった。

 威風堂々の佇まい。西武打線を相手にまったくスキを見せない。最速156キロの直球でコースを突き、高速カーブやフォークを交えて抑え込む。5回無死一塁では外崎修汰のバント飛球に対して頭から飛び込んでキャッチ。「高めの真っすぐのサインだったので、(打球が)浮くだろうなと準備していました。上がった瞬間、捕れそうだったのでヘッドスライディングをしちゃいました」。気迫のプレーでもチームを鼓舞した。8回を投げ、3安打9奪三振、三塁を踏ませないピッチングを見せて6対0で勝利。昨年から続く自身の公式戦連勝を16に伸ばし、チームに12年ぶりの開幕戦勝利を呼び込んだ。

 「開幕戦ということで、とにかく気合を入れてマウンドに上がったので勝てて本当に良かったです。長く開幕戦を落とし続けていたので、ファンの方が一番うれしいのではないかと思います。昨年、最後に日本シリーズでとても悔しい思いをしました。日本シリーズでリベンジできるように、リーグ優勝を目指してしっかり投げていきます」

 昨年は開幕戦を含め、東京五輪、クライマックスシリーズ、日本シリーズと初戦の先発を4度務めた。「やっぱり初戦の勝敗は大きく流れを左右すると思うので、そこに100パーセントで挑むことがすごく大事なんだというのはあらためて分かったことです。100パーセントは出ないかもしれませんが、出せる準備はできること。短期決戦だけでなく、リーグ戦も開幕で勝つことで勢いづくことができると思うんです。だから、やっぱりマウンドに上がるまでの準備が大事になります」。

 目指すべき頂である日本一へ。「初回」「1球目」「1人目」「1アウト目」――あらためて“1”を大事にしていきたいともいう。「いろいろな“1”をしっかり投げていくことでリズムも生まれてくると思うんです。最初の“1”をしっかり投げられるようにするためには、やっぱり準備が大事になると思うんです」。

 最高のスタートを切った2022年。23歳はピュアなまなざしで真っすぐ前を見据える。

 「昨年の自分より良い成績を出したい。昨年は開幕してすぐは調子が不安定で、負けが先行していたので今年は開幕から調子を安定させて勝っていきたいです。毎試合、毎試合、完全試合をするのが究極の目標。そこも変わらずに、投げる試合すべてで良いピッチングをしていきたいです」

 今年も快刀乱麻のピッチングでファンを楽しませてくれそうだ。

【文責:週刊ベースボール】