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【コラム】球団史上3人目の入団から5年連続2ケタ本塁打、“細いバット”で快打を飛ばすDeNA・牧秀悟

「チームの軸になる打順。それなりに覚悟を持ってやらせてもらっている」

 5月31日のヤクルト戦(横浜)に四番・二塁でスタメン出場した牧秀悟の言葉だ。強力なDeNA打線で担う中軸。この試合前までに15試合で四番を打ち、打率.333、3本塁打、12打点をマーク。しっかり結果を残していたが、同時に求められるのは試合を決める一打だ。

 ヤクルト戦は2対2の同点のまま8回を迎えていた。初回以降、得点を奪えない展開だったが、先頭の三番・佐野恵太が右翼席へ勝ち越しアーチ。「佐野さんが打ってくれたので、気持ちがすごく楽だった」と牧は心に余裕を持って打席へ。1ストライクからの2球目、甘く入ってきたカーブを見逃さなかった。しっかりと引き付けてとらえた打球はバックスクリーンに一直線。三、四番の連続弾で勢いづいた打線は度会隆輝の適時打でさらに1点を追加し、DeNAは5対2で勝利を飾った。

 牧は3試合連続本塁打。打撃が上り調子だったが、この一発は今季10号で球団史上3人目の入団から5年連続2ケタ本塁打のメモリアルアーチとなった。「まだ力不足なところもありますけど、先輩やコーチから吸収しながらやっているのが形になっていると思います」。3安打猛打賞もマークし、打率.305で首位打者にも躍り出た。6月2日現在、10本塁打、36打点はリーグ2位。三冠王も視界に入る。

 ベイスターズが誇る希代のスラッガーだが、もちろん“相棒”であるバットにこだわりがある。長さは85センチで重さは870~880グラム、素材はハードメイプル。一番の特徴は、ほかの選手に比べて細い形状だ。グリップエンドは少しだけタイカップ型にしているが、この形がスムーズにバットが出てスイングがしやすいという。

 単純に考えてバットが太いほうが芯の面積が増えて有利になると思えるが、「これはもう振った感じですね」と語る。「あとは実際に当たった時の感触が全然違ったんですよ。この細いバットが一番しっくりきて、感触も良かったんです。打球の質や飛距離など、自分が思ったとおりの打球が飛んでくれたのが、このバットでした。そういうのが全部、理想どおりになる感覚が好きなんです。もし、当たった感覚よりも想像以上に飛距離が出るバットがあったとしても、自分のイメージと一致するバットのほうを選ぶと思います。そういうバットが一番しっくりくるというか、まさに理想ですね」。

 今年はキャプテンに就任して2年目のシーズンでもある。昨年、チームはポストシーズンを勝ち抜いて日本一に輝いたが、セ・リーグでは3位に終わった。シーズン終了後に「今年みたいなキャプテンでは、来年はそれ以下の結果になる。チームのために強く言える存在になりたい」と誓いを立てていたが、その言葉どおりにバットでも、言動でもナインが進むべき道筋を先頭で示している。

 チームは2位で「日本生命セ・パ交流戦」に突入。11勝7敗の3位と昨年、交流戦で好成績を残したが、牧はパ・リーグ相手に打率.245、3本塁打、6打点と本領を発揮できなかった。今年は自身のバットで交流戦優勝に導き、チームを上昇気流に乗せてみせる。

【文責:週刊ベースボール】