【記録員コラム】2026年5月度ファーム・リーグ マンスリーレビュー
一軍は交流戦の真っ只中ですが、ファーム・リーグでも交流戦は行われています。今年は3地区制に伴って交流戦の試合数が増えただけでなく、昨年までに一度も無かった対戦カードも組まれたため、普段見ることがないチーム・選手を見る機会が生まれ、ファンの方々にとって嬉しいものになったのではないかと想像します。
ファーム交流戦は一軍と違って期間を設けることなく、通年で3地区間の交流戦を行っておりますので、6月以降も随時開催されます。日程表を片手に観戦計画を練ってみられてはいかがでしょうか。
さて、先月に引き続き、新生「ファーム・リーグ」で5月に生まれた主な記録と、好成績を残した選手をご紹介します。
個人記録
DeNA・小田康一郎、ファーム・リーグ初のイニング2二塁打(5/15)
試合結果
5月15日(金)、バッティングパレス相石スタジアムひらつか(平塚)で行われたDeNA-ヤクルト1回戦はDeNA・武田陸玖(高卒2年目・当時20歳)、ヤクルト・石川雅規(大卒25年目・46歳)の両投手による「年の差左腕対決」で幕を開けました。
5月も半ばながら早くもナイトゲームで行われたこの試合は、在京セ球団同士の対戦ながらも、今季からのファーム・リーグでは「交流戦」となる顔合わせ。したがってこの日が今季初めての対戦でした。
試合はDeNAが3回に2点を先制すると、続く4回にはこの回の先頭打者、「3番・二塁手」で出場のドラフト1位ルーキー・小田康一郎選手の右翼線二塁打を皮切りに、2四球を挟んで6打数連続安打、8者連続出塁の猛攻を見せ、打者一巡して小田選手にこの回2打席目となる打席が回ってきました。マウンド上は2番手の石原勇輝投手に代わっていましたが、その初球を振り抜いた打球はまたしても右翼線に弾む二塁打となり、ファーム・リーグ初、NPB二軍通算では33人目、34度目となる、イニング2二塁打の達成となりました。
試合はその後もDeNAが得点を重ね、13対0と大勝しました。
チーム記録
ハヤテベンチャーズ静岡、球団初の1試合3本塁打(5/29)
試合結果
2024年シーズンよりNPB二軍に新規参加しているハヤテベンチャーズ静岡。これまでの2シーズンは勝率2割台と苦しい戦いが続いておりますが、その要因の一つに長打力不足が挙げられます。チーム本塁打数は24年が20本、25年が14本と、いずれもファーム14球団中ワースト。しかし、今シーズンは6月1日時点で12本塁打(14球団中13位)と長打力アップの兆しが見受けられます。
5月29日(金)にヤクルト戸田球場で行われた対ヤクルト3回戦では、それまでの球団記録を更新する1試合3本もの本塁打が飛び出しました。
まずは試合開始早々、「2番・中堅手」で出場の廣沢新太郎選手が、ヤクルト先発の増居翔太投手から左中間に本塁打を放つと、4回には「7番・一塁手」で出場の前田聖矢選手がバックスクリーン直撃の3点本塁打、さらに続く「8番・捕手」の佐藤英雄選手も左越本塁打を放ち、球団史上初の1試合3本塁打をなんと4イニングで達成してしまいました。
なお、試合は4回を終えて8対1とハヤテが7点のリードを奪っていましたが、その後ヤクルトがじわりじわりと追い上げて7回には11対8と逆転に成功。直後の8回にハヤテが4点を挙げて12対11と再度リードを奪い返しますが、ヤクルトは9回裏一死から澤野聖悠選手の本塁打で試合を振り出しに戻すと、左方向への強い風が勢いを増すなか、最後は橋本星哉選手が打ち上げた飛球がぐんぐん伸びて左翼フェンスを越えるサヨナラ本塁打となり、14対12という壮絶なスコアの末にヤクルトが勝利しています。
リーグ・リーダーズ(打撃部門)
東地区
| 打率 | .358 | 吉田 賢吾(日) |
|---|---|---|
| 本塁打 | 5 | ウォーカー(O) |
| 澤野 聖悠(ヤ) | ||
| 打点 | 13 | 櫻井 ユウヤ(ロ) |
| 出塁率 | .418 | 宮崎 一樹(日) |
| 安打 | 24 | 櫻井 ユウヤ(ロ) |
| 盗塁 | 7 | 高 義博(O) |
中地区
| 打率 | .365 | 石上 泰輝(デ) |
|---|---|---|
| 本塁打 | 5 | 仲三 優太(西) |
| 打点 | 18 | 仲三 優太(西) |
| 出塁率 | .484 | 石上 泰輝(デ) |
| 安打 | 33 | 廣沢 新太郎(ハ) |
| 盗塁 | 8 | 小濱 佑斗(巨) |
西地区
| 打率 | .365 | 廣瀨 隆太(ソ) |
|---|---|---|
| 本塁打 | 3 | 三方 陽登(オ) |
| 打点 | 12 | 石塚 綜一郎(ソ) |
| 髙橋 隆慶(ソ) | ||
| 出塁率 | .485 | 廣瀨 隆太(ソ) |
| 安打 | 21 | 髙橋 隆慶(ソ) |
| 盗塁 | 8 | イヒネ イツア(ソ) |
リーグ・リーダーズ(投手部門)
東地区
| 防御率 | 0.50 | 岸 孝之(楽) |
|---|---|---|
| 勝利 | 2 | 池田 隆英(日) |
| ウォルターズ(ヤ) | ||
| 拓也(ヤ) | ||
| 前田 健太(楽) | ||
| 宮﨑 颯(ロ) | ||
| 勝率 | 1.000 | 岸 孝之(楽) |
| 藤原 聡大(楽) | ||
| 奪三振 | 23 | 青柳 晃洋(ヤ) |
| 古林 睿煬(日) | ||
| 山﨑 福也(日) | ||
| セーブ | 4 | 日當 直喜(楽) |
中地区
| 防御率 | 0.47 | 西舘 勇陽(巨) |
|---|---|---|
| 勝利 | 3 | 庄司 陽斗(デ) |
| 板東 湧梧(巨) | ||
| 平内 龍太(巨) | ||
| 森田 駿哉(巨) | ||
| 勝率 | 1.000 | 庄司 陽斗(デ) |
| 園田 純規(巨) | ||
| 西舘 勇陽(巨) | ||
| 森田 駿哉(巨) | ||
| 奪三振 | 24 | 冨士 大和(西) |
| セーブ | 4 | 大石 航(ハ) |
西地区
| 防御率 | 1.31 | 大野 稼頭央(ソ) |
|---|---|---|
| 勝利 | 3 | 村田 賢一(ソ) |
| 勝率 | 1.000 | 大野 稼頭央(ソ) |
| 北斗(ソ) | ||
| 奪三振 | 26 | 中村 稔弥(ソ) |
| セーブ | 2 | 阿部 翔太(オ) |
※太字は三地区を通じてリーグトップ
東地区はオイシックスのウォーカー選手が3、4月に続いて本塁打トップ。NPB復帰を目指して、自慢の長打力を遺憾なく発揮しています。ロッテのドラフト4位ルーキー・櫻井ユウヤ選手は高卒1年目ながら、打点と安打の二冠を記録。5月31日の阪神3回戦(ZOZOマリン)で早くも一軍デビューを果たしました。
中地区では西武の仲三優太選手が本塁打と打点の二冠を記録。ハヤテのヒットメーカー・廣沢新太郎選手の打棒は5月も止まることなく前月に続いてリーグトップの33安打を記録。
西地区は投打にわたってソフトバンクの選手がランキング上位を席巻していますが、そのなかでオリックスの育成ドラフト1位ルーキー・三方陽登選手が地区トップの3本塁打を記録。支配下登録選手への昇格に向けてアピールを続けています。
各地区から一人ずつ選出されるSMBC信託銀行 ファーム月間MVP賞は今週の木曜日、6月11日発表です!
以上、5月度のファーム・リーグ マンスリーレビューでした。それではまた来月お会いしましょう。
【NPB公式記録員 大塚雄太】
