【コラム】「250セーブは通過点」名球会入りを果たした、“幕張の鉄腕”ロッテ・益田直也の終わらない挑戦
プロ15年目のロッテ・益田直也が、大きな節目を迎えた。8月4日の西武戦(ZOZOマリン)。5対3と2点リードの9回に四番手として名が告げられ、登場曲が流れると、ZOZOマリンは大きな「益田コール」に包まれた。先頭を投ゴロ、2人目は左飛に打ち取り、最後は直球で右飛に仕留め、わずか8球で三者凡退。今季2セーブ目を挙げ、プロ野球史上5人目の通算250セーブを記録した。パ・リーグでは平野佳寿(オリックス)に続く2人目で、ロッテの投手としては初。平成生まれの投手としても初めて名球会入会条件達成となった。通算795試合目で大台に乗せ、しかも先発を一度も経験せずに250セーブを記録したのも史上初だった。
記録達成の瞬間、益田は目を潤ませながらナインと喜びを分かち合った。15年間の歩みがよみがえり、こみ上げる涙を必死にこらえた。安堵に包まれる一方、マウンドに上がる前には重圧も感じていた。サブロー監督からセーブ機会での登板を告げられ、「ここで失敗したら、またもう1回迷惑がかかる」と考えた。今季は横山陸人が守護神を務める中、7月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で249セーブ目をマーク。王手をかけてからは、練習中にカメラが回るなど、周囲からの注目も一段と高まった。起用してもらうからには絶対に抑える。そして、チームのためにも早く250セーブを達成する――。そんな強い責任感を胸に、託された大役を果たした。
250セーブまで、あと「7」で迎えた昨季は苦しい1年だった。不振や故障もあり、自己最少の22試合登板で5セーブ。あと一歩のところで足踏みした。「本当に迷惑をかけた」と振り返るように、昨年のうちに達成するのが理想だった。それでも、苦しいシーズンだったからこそ、練習の中で得られたものも多かった。昨秋は36歳のベテランながらキャンプに参加し、若手に交じって体を鍛え直した。投球フォームではグラブの使い方を見直し、直球の出力を取り戻した。その成果は、この日のマウンドにも表れた。直球は5球が150キロ以上を計測し、最後の1球は151キロで締めくくった。
抑えという役割については、先発や中継ぎ、野手がつないだ試合を背負う立場だと考えており、「それを250回できたのは、自分の中で喜んでもいい数字なのかな」と静かに胸を張った。長い道のりを支えてくれた家族への感謝も忘れない。特に、苦しい時期もそばで支えてくれた妻には、真っ先に報告したいと話した。15年間、マウンドに立ち続けてきた右腕にとって、250セーブは自分一人の力だけで積み重ねた数字ではない。多くの支えを胸に、益田は次の目標へ向かう。通算800試合登板まであと4試合。通算200ホールドにもあと24と迫る。
「若い子をドンドン使いたいという考えは監督の中にあると思いますが、そこに負けないようにしたい。明日からも試合があるので、まだまだ現役を続けられるように、頑張らなければいけないという思いが強い」
通算250セーブは、益田にとって終着点ではない。名球会入りを果たした幕張の鉄腕は、なお現役のマウンドを見据えている。800試合登板、200ホールド、その先にある新たな数字へ。益田の挑戦は続く。
【文責:週刊ベースボール】

