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コナミ日本シリーズ2012

デイリーリポート

第3戦

 地元・札幌に帰った北海道日本ハムが序盤から積極的な攻めを見せて7対3で勝ち、対戦成績を1勝2敗とした。

 前日の移動日練習で栗山英樹監督が「札幌で試合ができるのは、われわれにとって"百人力"。ウチらしい野球をやっていけば、展開は必ず変わる」と話した通りの試合だった。プレイボール直後、1回表の守りから、1ストライク、1アウトを取るたびにスタンドからは普段以上の拍手と歓声。「今日は絶対に巨人に勝たせない」というファンの意気込みが、選手の背中を押した。

 東京ドームとは明らかに異なる空気の中、北海道日本ハムが先制点を奪う。2回一死後、前日の練習で入念な打ち込みをしていた稲葉篤紀が、真ん中低めに入ってきた初球をたたいて右中間にソロ本塁打。二死後、ホフパワーの四球、大野奨太の右前打で一、三塁とすると、第2戦までヒットがなかった金子誠がショートに深いゴロを打ち、これがタイムリー安打に。ホフパワーが生還し、2対0とリードを広げた。ホームランの後に2アウト目を取られながら、そこから2点目を奪ったところにこの試合への執念が見えた。

 北海道日本ハムは続く3回にも一死一、二塁から稲葉が右中間に二塁打を放って3対0。さらに小谷野栄一の中前打で4点目、ホフパワーの右前打で5点目を奪うと、6回にもバントをからめた"らしい"攻撃で6点目。先発のウルフが5回に2点を失ったものの、6回から宮西尚生、石井裕也、増井浩俊の継投で3イニングを1失点で切り抜け、9回は武田久が締めた。チャンスに集中打で得点を奪い、投手を軸に守り切る、このチームの勝ちパターンだった。

 第2戦で左手甲に死球を受け、前日は練習を回避した四番・中田翔は、6回の第4打席でレフト前に今シリーズ初ヒットを放った。痛みを抱えていることを表に出さず、第1打席からフルスイング。その姿に、ナインも感じるものがあっただろう。栗山監督は試合後、「まだ1つ勝っただけ。明日の試合をどう戦うか、それしか考えていない」と冷静に話したが、これでシリーズの流れが変わるかもしれないと予感させるに十分な試合だった。

 巨人にとっては、眠っていた相手打線を活気づけた(北海道日本ハムは先発全員安打)という意味で痛い敗戦になった。四番・捕手の阿部慎之助が5回の打席を最後に交代したのも気がかりだ。

 それでも星勘定の上では2勝1敗とまだ1つ勝ち越しており、第4戦を取ればその時点で"王手"をかけられる。今こそ、原辰徳監督がいう「フラットな精神状態で戦う」ことが重要になってくる。

 終始劣勢だった展開の中で、二番の松本哲也が3安打1盗塁、ダイビングキャッチと素晴らしいプレーを見せた。前を向いて自分の仕事を遂行する彼の姿は、巨人ナインが今何をすべきかを示しているようにも感じられた。

コナミ日本シリーズ2012 第3戦

2013年10月25日(土)
甲子園 ◇開始 18:17 (3時間26分) ◇入場者 45,293

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
読売 0 0 0 0 2 0 0 1 0 3 11 1
北海道日本ハム 0 2 3 0 0 1 0 1 x 7 12 0
バッテリー
[巨] ●ホールトン(0-1)、高木康、小山、高木京、ゴンザレス - 阿部、實松
[日] ○ウルフ(1-0)、宮西、石井、増井、武田久 - 大野、鶴岡
本塁打
[日] 稲葉 1号(2回1点 ホールトン)