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コナミ日本シリーズ2012

デイリーリポート

第6戦

 巨人が3勝2敗と“王手”をかけた状態で迎えた第6戦は、3対3で迎えた7回、阿部慎之助のタイムリーで決勝点を奪った巨人が4対3で勝ち、3年ぶり22回目の日本一に輝いた。シリーズMVPには1、5戦目でともに勝利投手となった内海哲也(巨人)が選ばれた。

 巨人は第3戦の途中で試合を退いた四番・捕手の阿部慎之助が、3試合ぶりにスタメン復帰。右ヒザの痛みを抱える主将の復帰が、ナインの気迫に拍車をかけた。1回、先頭の長野久義の中前打を起点に二死満塁とすると、六番・矢野謙次がレフトフェンス直撃の2点タイムリー。矢野は一塁塁上で派手なガッツポーズを見せ、場内はオレンジ色の熱気に包まれる。

 2回には八、九番が倒れ二死となった後に長野が左中間スタンドへソロ本塁打。これで3対0とし、先制点の次の回にも得点したことでチームに勢いがついた。先発マウンドに上がった澤村拓一の出来も素晴らしく、5回まで被安打2、無失点。巨人が主導権をつかんだまま、試合は中盤へと向かう。

 6回に北海道日本ハム・中田翔の3ランが飛び出し、いったんは追いつかれるも、ここから巨人は第5戦と同様の粘りを見せる。7回、この回先頭の長野が四球で出塁すると、松本哲也が送って一死二塁。二死後、阿部がカウント3-1からセンター前に弾き返し、第5戦の死球で右ヒザを痛めていた長野が本塁を踏んで4対3。ケガで前日の練習を休んでいた2人が、日本一に近づく決勝点を演出した。

 巨人は澤村が6回限りでマウンドを下りると、その後は福田聡志、高木京介、マシソン、9回は山口鉄也と小刻みなリレーで北海道日本ハムに得点を許さず、東京ドームのファンに見守られながら歓喜の瞬間を迎えた。

 日本一を決めた原辰徳監督は、「しびれる試合だったが、選手は堂々と戦ってくれた。(決勝打となった)阿部の一打は、まさにジャイアンツ魂です」と満足そうな表情で語った。今季はセ・リーグのペナントレース、セ・パ交流戦、クライマックスシリーズ、そしてコナミ日本シリーズ2012と、ことごとく優勝を果たした巨人だが、思い起こせば4月は5~6位を行き来し、Aクラスの3位以内に入ったのは5月中旬になってからと、けっして楽な戦いではなかった。チーム一丸となって苦境から這い上がっての日本一だった。

 敗れた北海道日本ハムも、最後までよく食い下がった。5回まで巨人・澤村の前に2安打だったが、6回二死一、三塁から中田が同点3ラン。第2戦の第一打席で死球を浴びた相手から、価値ある一発を放ってみせた。9回には、巨人ファンが醸し出す異様なムードの中、二死一、二塁と同点あるいは逆転の場面をつくり出した。

 目の離せない6試合が終わった。不振に悩む時期が長かった澤村が好投したり、控え生活が長かった北海道日本ハム・飯山裕志が第4戦でサヨナラ打を放ったりと、さまざまなドラマがあった。最後の試合となった第6戦でも、両チームの四番打者が痛みをものともせず、チームを勝たせるために素晴らしい一打を放った。試合後、原監督は「北海道日本ハムは実に手ごわい、素晴らしいチームでした」と相手を称えたが、そんなスポーツマンシップも含めて、ファンの記憶に長く刻まれるシリーズだった。

コナミ日本シリーズ2012 第6戦

2012年11月3日(土)
東京ドーム ◇開始 18:11 (3時間22分) ◇入場者 45,018

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
北海道日本ハム 0 0 0 0 0 3 0 0 0 3 8 0
読売 2 1 0 0 0 0 1 0 x 4 7 0
バッテリー
[日] 武田勝、谷元、宮西、●石井(0-1)、増井 - 大野
[巨] 澤村、福田、○高木京(1-0)、マシソン、(S)山口(1) - 阿部
本塁打
[日] 中田 1号(6回3点 澤村)
[巨] 長野 2号(2回点 武田勝)