両チームとも2勝2敗、勝ったチームが王手をかける重要な第5戦は、前日まで2連敗していた巨人が序盤から効果的に加点し、10対2で北海道日本ハムを下し、2009年の同カード以来の日本一まで、あと1勝とした。
巨人は内海哲也、北海道日本ハムは吉川光夫。ともにチームの勝ち頭で、コナミ日本シリーズ2012の"開幕投手"を務めた左腕の先発で始まったこの試合、先制点を奪ったのは巨人だった。2回、この回先頭の五番・矢野謙次が内野安打。一死後、第1戦でも一発を放っているボウカーが、このシリーズ2本目の本塁打をライトスタンドに打ち込んで2対0とする。
巨人は3回にも、坂本勇人のタイムリーと矢野の犠飛、エドガーのタイムリー二塁打で3点を挙げて吉川をマウンドから下ろすと、4回にも坂本の犠飛で6点目を加えるなどソツがなかった。続く5回にも2点を加え、これで2回から4イニング連続得点。前日、延長12回を戦ってサヨナラ負けした悔しさを晴らす猛攻だった。
巨人は前日までの2試合、計21イニングで3得点と苦しんでいた。加えて四番・捕手の阿部慎之助が、この日も前日に続いて欠場。それでも、クライマックスシリーズのファイナルステージがそうだったように、シーズン中は控えに回ることが多かった選手が、持ち味を生かして活躍した。シリーズ初出場のエドガーは2安打1打点。阿部に代わってマスクをかぶった加藤健も5回に2点タイムリー二塁打を放つなど、阿部欠場の不安を感じさせなかった。
投げては、点差に左右されることなく淡々とアウトを積み重ねた内海が、8回までを2失点。「総力戦なので中4日は当たり前。昨日は延長戦で中継ぎの投手が投げていたので、できるだけ長く投げたかった」と話すあたりも、いかにもエースらしかった。
試合後の巨人・原辰徳監督は「シーズン中と同じで、みんなの力で戦った」と満足そう。王手をかけて東京に戻ることに対しても、「そう簡単にはいかないと思うので集中して戦いたい」と、自らに言い聞かせるように話した。
北海道日本ハムは、前夜にドラマチックな勝ち方をしただけに、ここは3連勝したいところだった。2回表に2点を失うとその裏に1点を返し、3回表に3点を奪われると、やはりその裏に1点返したように持ち前の粘りは見せたものの、この日の巨人の攻撃はそれ以上。北海道日本ハムとすれば、「取られて、取って」のその次のイニングの失点は、絶対に避けたいところだった。
3勝2敗でホームに戻る巨人と、日本一のためには2連勝するしかなくなった北海道日本ハム。数字上、巨人の優位は動かない。ここまでの5試合はすべて、先制点を奪ったチームが勝っているが、北海道日本ハムとしては先攻めであることを生かし、第6戦では巨人より先に得点を奪いたいところだ。
2012年11月1日(木)
札幌ドーム ◇開始 18:32 (3時間52分) ◇入場者 40,579
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
読売 | 0 | 2 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 10 | 15 | 0 |
北海道日本ハム | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 | 1 |
[巨] | ○内海(2-0)、西村 - 加藤、實松 |
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[日] | ●吉川(0-2)、多田野、森内、モルケン、斎藤佑 - 鶴岡、大野 |
[巨] | ボウカー 2号(2回2点 吉川) |
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