【コラム】開幕直前!2017年パシフィック・リーグ展望
昨年、北海道日本ハムに大逆転優勝を許した福岡ソフトバンクだが今年はV奪回に死角は少ない。ストロングポイントは豪華な先発陣だ。和田毅、千賀滉大、武田翔太、R.バンデンハークが強固な4本柱を構築。東浜巨と中田賢一が過酷な競争を勝ち抜き、開幕先発ローテに名を連ねる。攝津正、松坂大輔、大隣憲司、松本裕樹らが二軍に控え、有事に備える。森福允彦(現巨人)が抜け、R.スアレスを故障で欠く中継ぎ陣に不安を残すだけに、先発陣の働きでカバーしたい。A.デスパイネを加えた打線はリーグ最多の637得点を挙げた昨年以上の破壊力を期待できる。
福岡ソフトバンクに続くのは北海道日本ハム、千葉ロッテか。北海道日本ハムは投手力を中心にした守り勝つ野球に、昨年リーグトップの盗塁数をマークした機動力を生かした攻撃で今年も勝負。キーマンはやはり大谷翔平。前半戦は野手メーンでの起用になりそうだが、毎日のラインアップに背番号11を組み込めるのは逆に強みだ。
オープン戦首位の千葉ロッテは高い投手力を生かしながら終盤勝負のロースコアゲームに持ち込みたい。益田直也、内竜也を中心にリリーフ陣は盤石なだけに、涌井秀章と石川歩の2本柱に続く先発陣がカギ。デスパイネ流出で破壊力低下の打線は角中勝也を軸としながら、M.ダフィー、J.パラデスの両新助っ人に爆発が求められる。
2016年は北海道日本ハムファイターズが10年ぶりの日本一に輝いた
Aクラスに食い込みたいのが昨年Bクラスの埼玉西武、東北楽天、オリックスだ。埼玉西武はエースの岸孝之が抜け先発陣が手薄になった。上位進出へ多和田真三郎、髙橋光成ら若手先発陣の飛躍が必須だ。辻発彦新監督の下、守備力は強化。足を絡めた攻撃も多用しそうだ。浅村栄斗、中村剛也、E.メヒアら強力クリーンアップとの相乗効果で得点力アップを狙う。
東北楽天は岸が新加入し、則本昂大との2本柱が完成した。投手を中心とした守り勝つ野球を実践したいところだが、開幕投手の予定だった岸がインフルエンザにより先発回避。開幕先発ローテ入りが内定していた安樂智大は直前の故障で開幕絶望に。先行き不安の状況に陥っているのが気がかり。
オリックスは福良淳一監督が〝スキのない野球〟を掲げる。打撃ではキャンプから取り組んできたチーム打撃だ。オープン戦16試合での犠打数は昨年より20増の25を記録。さらに安達了一、駿太ら足を使える選手も多く、盗塁やエンドランも絡めた攻撃で得点機を演出する。エース・金子千尋、西勇輝ら投手陣は豊富なだけに、投手が最少失点に抑え、手堅く得点を稼ぎたい。〝スキなく守り勝つ野球〟を展開して上位を虎視眈々と狙う。
【文責:週刊ベースボール】