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【記録員コラム】先発投手が4イニングで勝投手に!?

 2018年5月13日、イースタン・リーグ、ロッテ対日本ハム9回戦(ロッテ浦和)において、日本ハムの堀瑞輝投手が、先発投手で投球回数が4回だったにも関わらず、勝投手になりました。通常の試合であれば、先発投手は投球回数が5回以上でなければ勝投手の記録は与えられません。しかしながらこの試合は5回裏終了時点で降雨の為にコールドゲームとなり、勝チームの守備が5回(6回未満)の試合では先発投手は投球回数が4回以上であれば勝投手の記録が与えられるという規則に基づき、堀投手が勝投手となりました。なお、試合は堀投手が4回無失点、北浦竜次投手が1回無失点に抑え、0-6で日本ハムが勝利という展開でした。

 勝投手の決定に関する詳細は、私が2017年6月27日に「勝投手はだれ?」というコラムで紹介していますので、興味のある方は下記リンクよりご覧いただければと思います。

【記録員コラム】勝投手はだれ?

 なお、この試合が行われた5月13日は日本各地で雨天となり、一軍公式戦6試合のうち1試合が雨天中止、二軍ウエスタン・リーグ2試合は雨天中止、イースタン・リーグは3試合全てが9回を完了する前に降雨コールドゲームとなりました。

 横浜スタジアムでのDeNA対ヤクルト8回戦も7回裏二死で降雨コールドゲームとなったのですが、5回裏終了時点でも雨脚が強く、中断がありました。この時点では7-3でDeNAがリードを奪っており、投手は先発の京山将弥投手が4回1/3を3失点、2番手の砂田毅樹投手が2/3回を無失点という内容でした。もし、この試合が仮に5回裏終了時点でコールドゲームになっていたとしたら、勝投手の記録はどちらの投手に与えられるでしょうか。このコラムを読んでいただいている方であればおわかりの通り、先発投手で投球回数が4回1/3ですが京山投手、ということになります。

 さらに付け加えると、砂田投手が登板したのは5回表DeNAが2点リードの一死一二塁の状況でセーブの記録が与えられる条件を満たしており、ここを無失点でリードを守り切った砂田投手にはセーブが与えられるところでした。実際の試合は7回裏二死でコールドゲームとなり、10-3でDeNAが勝利したのですが、勝チームの守備が7回なので先発投手に勝投手の記録は与えられず、救援投手のうち6回表と7回表の2回を無失点に抑え、投球回数が砂田投手より1回以上多くなった三上朋也投手が勝投手、砂田投手にはホールドが与えられました。

 近年では屋根付きの球場が増えたこともあり、今回のようなケースはなかなかお目にかかることはないと思いますが、屋外球場における野球の奥深さのひとつ、とも言えるのではないでしょうか。

【NPB公式記録員 伊藤亮】