【記録員コラム】祝 札幌ドーム 公式戦1000試合
2001年の開場から20年目を迎えた札幌ドーム。これまで開催したプロ野球公式戦は999試合(パ・リーグ=788、セ・リーグ=41、交流戦=170)。7月14日の日本ハム対ロッテ1回戦で、節目の1000試合に到達します。プロ野球が行われた球場は289ありますが、1000試合以上開催は札幌ドームで19球場となります。
こけら落としは2001年6月26日の巨人対中日16回戦でした。1回表、中日福留孝介選手(現阪神)が、巨人先発メイ投手の初球を右中間スタンドに叩き込む「初回先頭打者本塁打」で華々しく幕を開けました。当時はテレビ中継の影響もあり、北海道=巨人の街と言っても過言ではないほどで、北海道の野球ファンの9割以上が巨人ファンだったそうです。その様相がガラリと変わったのは2004年の日本ハムの本拠地移転で、今では北海道中がファイターズ一色に染められたように思えます。
1000試合の節目を迎えるにあたり、札幌ドームにおける個人本塁打と個人勝利のランキングを作りました。
札幌ドーム 本塁打ランキング(太字は日本で現役選手)
82 | 中田 翔 | 日本ハム(82) |
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59 | 稲葉 篤紀 | 日本ハム(59) |
46 | セギノール | 日本ハム(43)、楽天(3) |
44 | レアード | 日本ハム(43)、ロッテ(1) |
32 | 小笠原 道大 | 日本ハム(32) |
31 | 陽 岱鋼 | 日本ハム(31) |
30 | 高橋 信二 | 日本ハム(30) |
27 | 糸井 嘉男 | 日本ハム(22)、オリックス(5) |
27 | 中村 剛也 | 西武(27) |
22 | 田中 賢介 | 日本ハム(22) |
チームの主砲中田翔選手が通算232本塁打のうち82本を札幌ドームで記録し、トップを走ります。今季は開幕からビジター9試合で5本塁打と好スタートを切り、あと18本塁打に迫る札幌ドーム100本塁打にも期待が膨らみます。日本ハムの選手が名を連ねる中、西武の中村剛也選手が27本塁打で8位タイに入っています。ここ3年間は19試合で2本塁打ですが、2009年には12試合で7本塁打と量産しました。
札幌ドーム 勝利ランキング(太字は日本で現役選手)
46 | ダルビッシュ有 | 日本ハム(46) |
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37 | 武田 勝 | 日本ハム(37) |
20 | 吉川 光夫 | 日本ハム(20) |
19 | ウルフ | 日本ハム(17)、西武(2) |
18 | 増井 浩俊 | 日本ハム(18) |
18 | 大谷 翔平 | 日本ハム(18) |
17 | 有原 航平 | 日本ハム(17) |
16 | 武田 久 | 日本ハム(16) |
15 | 金村 暁 | 日本ハム(15) |
13 | 上沢 直之 | 日本ハム(13) |
メジャーに羽ばたいたダルビッシュ有投手(現カブス)が46勝を挙げ1位に君臨。大谷翔平投手(現エンゼルス)も18勝で5位タイにランクインしています。20勝の吉川光夫投手は、防御率1位のタイトルを獲得した2012年に札幌ドームで7勝を挙げました。17勝の有原航平、13勝の上沢直之両投手が、今後どこまで数字を伸ばすか注目です。
札幌ドームではサイクル安打が2回記録されています。1回目は日本ハムがここを本拠地とした2004年、西武を迎えてのオープニング3連戦でした。4月4日の3試合目に西武の細川亨選手(現ロッテ)が、パ・リーグ史上31度目の快挙を達成。2回目はそれから14年後の2018年で、これもビジターチームでソフトバンクの柳田悠岐選手が4月21日に達成しました。
こけら落としの一戦での「初回先頭打者本塁打」に、日本ハムの本拠地移転オープニングシリーズでの「サイクル安打」。札幌ドームは記録に縁がある球場と思われがちですが、実はまだノーヒットノーラン試合は達成されていません。惜しいゲームはありました。2009年7月10日の日本ハム対ロッテ9回戦で、日本ハムの多田野数人投手が9回二死まで無安打投球を続けていましたが、大松尚逸選手にふわりと二塁手の頭を越えていく安打を許し、快挙達成を逃しました。
プロ野球におけるノーヒットノーランは、これまでの約6万2500試合で92回記録されています。平均すると680試合に1回となり、確率的には公式戦開催1000試合を迎える札幌ドームでいつ記録されても不思議ではありません。これまでノーヒットノーラン試合の最北達成球場は、青森県の青森市営球場です(1950年6月28日、巨人藤本英雄投手の完全試合)。北の大地で、初のノーヒッター誕生を心待ちにしています。
【NPB公式記録員 山本勉】