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【記録員コラム】東西南北

 8月14日にZOZOマリンスタジアムで行われた、千葉ロッテ対北海道日本ハム10回戦の公式記録員を務めました。序盤からロッテ打線が活発で、1回と3回に打者一巡の猛攻を見せ計11得点。1試合に2度の打者一巡は、チームでは2005年以来15年ぶりだったそうです。

 最終的に12対5でロッテが勝利した試合で、ちょっと面白い投げ合いがありました。

 日本ハムは3年目の“北”浦竜次投手が今季初先発しましたが、先頭打者から4連続安打を許すなどし、1アウトを取っただけで降板。“西”村天裕投手がリリーフしました。一方のロッテは先発の石川歩投手が6回まで投げ、7回表から“東”妻(あづま)勇輔投手が登板します。もうお気づきでしょう。方位を表す東西南北のうち、南以外の漢字を有する3投手が登板したのです。

 私は手元にある「ベンチ入り選手」のリストを見ました。ロッテに“南”昌輝投手がいました。試合は東妻投手が登板した時点でロッテが11対5とリード。点差からすれば、終盤は1イニングずつの継投も考えられます。7回を東妻投手が無失点に抑えると、8回表は唐川侑己投手が登板し、こちらも無失点リリーフ。9回表、日本ハムの攻撃が始まる前に、ロッテ井口資仁監督が球審のところへ歩み寄る姿が見えました。場内アナウンスに耳を傾けます。

 『マリーンズのピッチャー、唐川に代わりまして小野』

 仮に、ベンチ入り唯一の「左腕」永野将司投手が登板すれば“サウスポー”のオチが付いたのですが、小野投手では“oh no-”と心の中でダジャレをつぶやくしかありません。9回表は小野投手がピシャリと無失点に抑え、試合終了。結局、南昌輝投手の出番はなく、両チーム投手陣による「東西南北」のコンプリートはなりませんでした。

 2018年のセ・パ交流戦では、横浜DeNAの“東”克樹投手とオリックスの“西”勇輝投手の両先発投手による「東西対決」が話題になりました。プロ野球一軍戦で過去、姓に東西南北の漢字が付く投手が1試合で全て登板したケースはあったのでしょうか。

 NPB編集のオフィシャルベースボールガイドは基本的に成績の記録集で、このようなマニアックな項目は掲載されていません。NPBのホームページでは、これまで一軍戦に出場した全選手の成績を閲覧することができます。そこでキーワードに東西南北を入力し検索すると、姓に“南”が付く選手の一軍戦登板は少なく、わずか8人でした。

 これを手掛かりに調べると、一リーグ時代は“南”が付く選手の出場がなく、条件が揃いません。セ・リーグでは1998年に巨人に西山、南、ヤクルトに伊東、北川の各投手が在籍し、登板記録から推測すると4投手が同時にベンチ入りはあったようです。しかし、4投手の同一試合登板はありませんでした。パ・リーグでは、1992~95年に日本ハムに南、西崎、西村、オリックスに本東、北川の各投手が在籍。条件は揃っていましたが、北川投手の一軍登録がありませんでした。結果、これまで行われた62,500試合を超えるNPB公式戦で、東西南北の揃い踏み登板は一度も実現していないのです。

 試合翌日の8月15日、残念ながら北浦竜次投手と南昌輝投手は一軍登録を抹消されました。それでも両チームの対戦は9月8日以降に8試合が組まれており、プロ野球史上初となる「東西南北」投手の同一試合登板の可能性は残されています。ちょっとマニアックな記録にも注目してみてください。

【NPB公式記録員 山本勉】