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【コラム】支配下昇格即スタメンで初打席本塁打、チームに明るい光を与えたオリックス・大下誠一郎

 ひと振りで期待に応えた。9月15日の楽天戦(ほっと神戸)。オリックスの「八番・三塁」でスタメン出場を果たしたのは今季育成ドラフト6位で入団し、前日に支配下登録されたばかりの大下誠一郎だった。

 「やっとスタートラインに立てたと感じています。ここまで毎日が勝負のつもりで、1日1日必死にプレーしてきました。これからも変わることなく、人一倍、声を出してチームを盛り上げていきたいと思います。そして、持ち味でもあるフルスイングと勝負強さをアピールし、レギュラーに定着できるように頑張っていきます」と決意を新たにしていた大下。背番号は「006」から「40」に昇格したが、新しいユニフォームが間に合わず、打撃投手のユニフォームを借り、「102」を背負ってグラウンドへ。そして2回、1対1の同点に追いつき、さらに一死一、三塁のチャンスでプロ第1打席を迎えた。

 フルカウントからの6球目。辛島航が投じた真ん中低め、138キロの直球を無我夢中でとらえた。打球は左翼席ギリギリに飛び込む勝ち越し3ラン。両手を上げ、バンザイしながらホームインした大下はベンチ前でも万感のガッツポーズ。喜びを全身で表現した。「感触も良かったですし、スタンドに入った瞬間の歓声でホームランになってくれたと分かりました。本当にうれしいです」。これが決勝点となって5対1で勝利を呼び、オリックスの連敗を3でストップさせた。

 覚悟が違う。白鷗大足利高3年時に福岡に住む父が脳内出血で倒れた。妹が2人おり、一家の大黒柱としての自覚が芽生えた。ヒーローインタビューでホームランボールに関して問われ「オヤジに渡したい。毎日、病気で頑張っているので、自分が支えてやろうと思ってやっているから」と目に力を込めた。

 オリックスは来季より三軍制度を導入予定と“育成”に本腰を入れているが、その産物だ。今春キャンプから若手には厳しい練習が課された。午後の打撃メニューで一塁ベンチ前に集まり、サーキットメニューを開始。ファウルグラウンドで『デットリフト』やバーベルを担いでの『ジャンピングスクワット』、さらに、メディシンボールを両手で持った体を打撃動作のように横に回転させ、カベにぶつけていく。こうしたフィジカルトレーニング後には、5球連続で行う早打ちでのティー打撃、そして同様のロングティー、打撃ケージでは正面から投じられるボールを打ち返す『早打ち』を各50秒間行う。ここまでが1セットのサーキットは、チーム内で『スペシャル』と呼ばれるもので、そのハードさに若手選手は苦悶の表情を浮かべた。

 大下も「力があるからといって上体だけではダメで足を使って打つことが大事。『スペシャル』の練習で、それが良く分かる。下半身を強くしないといけません」と自己分析。さらに「バットのヘッドが内(投手方向)に入るクセがあるので、そこを意識してフォームを固めている最中。力があっても、スムーズにスイングできなければ意味がない」と明確な意識を持って汗を流していた。

 努力が実を結び、支配下昇格を果たした大下。一軍デビュー後もスタメン出場を続け、18日の西武戦(京セラD大阪)まで4試合連続安打もマークした。「打撃という自分の色でアピールしたい」と前を見据える背番号40。若手の競争も激しいが、自分を見失わずに最下位に低迷するチームに明るい光を与え続ける。

【文責:週刊ベースボール】