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【コラム】チームの連敗を4連敗で止める7回無失点の好投、巻き返しを誓う“エース候補”ヤクルト・吉村貢司郎

 チームの連敗を4で止める好投を見せた。6月14日のロッテ戦でヤクルトの先発マウンドに立った吉村貢司郎。強風が吹くZOZOマリンは3年目で初登板となり、微調整を重ねたため2回まで50球を要したが、相手先発の小島和哉のピッチングに触発された。「小島さんのテンポが良かったので、テンポアップしないとダメだと思ってストライク先行で投げました」。3回から7回までの5イニングは三者凡退。7回で球数が117球に達したため、この回限りでマウンドを降りたが7回2安打5奪三振無失点の見事なピッチングで今季3勝目を手に入れた。

「野手が点を取ってくれたのが心の支えになって、しっかり投げられました。勝ちに貢献できて、すごくうれしいです。どんどん勝ちをプラスしていけるように頑張っていきたい」

 2023年、東芝からドラフト1位でヤクルトに入団。国学院大4年時、ドラフト解禁の社会人2年目の2度のドラフト指名漏れを経験し、“3度目の正直”でプロのユニフォームに袖を通した。ルーキーイヤーは上半身のコンディション不良で約3カ月間離脱。12試合登板で4勝に終わった。だが、1日1日を無駄にしなかった。故障期間に自身を見つめ直し、前腕を鍛えるなど弱かった部分を強化した。

 2年目の昨季は開幕先発ローテーション入りして、オールスターゲームにも出場。9、10月度は5試合に先発し、リーグトップの4勝を挙げ、同2位の防御率1.04で月間MVPを受賞した。「本当に1試合1試合、どうやったら勝てるかを考えながら取り組んでいった結果、後半戦はうまくいきました」。23試合に登板してチームトップタイの9勝(8敗)をマーク。シーズン通して一軍で活躍し、将来のエース候補として実力を示した。

 今季は高い目標を設定してキャンプから過ごしてきた。「昨季は9勝で終わって、2ケタ勝利もいけなかったので。15勝以上を目標にやって、そこの中で負けが少ない投手を目指して頑張っていきたい」。チームは2年連続のリーグ5位。低迷からの巻き返しへ課題となるのは2ケタ勝利達成者も、規定投球回到達者もゼロの先発陣。吉村は高みを目指し、先頭に立って引っ張っていく意気込みにあふれていた。

 6月15日は「父の日」だったが、「小学生のころは、夏休みに父親と練習することが多かったです」という。「実家が自営業だったので、平日にキャッチボールをしてくれたり、ネットのあるグラウンドに行ってバッティング練習に付き合ってくれたりしました」。念願のプロ入りの夢が叶った日、ドラフト後の記者会見でも何度も感謝の言葉を口にしたが、父に限らず周囲へのその思いは決して欠かさない。

「1試合を投げ切ることが大事だと思っている。長いイニングを、しっかりと1年間通してできるほうがいい」とシーズン前に語っていた吉村。今季は6月15日現在、9試合に登板し、3勝3敗、防御率3.31と当然満足できる成績ではない。最下位に沈んでいるチームととともに、これから巻き返していく。

【文責:週刊ベースボール】