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【コラム】12球団トップの交流戦打率.397で優勝に貢献、ソフトバンク・柳町達の転機となった本塁打

 日本生命セ・パ交流戦終盤でもバッティングの勢いは衰えなかった。ソフトバンクの柳町達だ。6月19日の広島戦(マツダスタジアム)では初回、一死一塁で打席に立つとカウント2-1からドミンゲスが投じた真ん中高め151キロのストレートをライトへ鋭くはじき返した。一死一、三塁とチャンスを拡大すると二死後、栗原陵矢の適時二塁打、嶺井博希の2ランで4点を先制。ソフトバンク打線のエンジンは全開となり、9回に一挙7得点を挙げるなど16対2と大勝し、日本生命セ・パ交流戦優勝へ向けて加速した。

 前日の同カードに続き、この試合で2安打を放った柳町は次カードの阪神3連戦(甲子園)でも1安打ずつをマーク。ソフトバンクは22日、阪神に3対1で勝利を収め2019年以来、6年ぶり9度目の交流戦優勝を飾った。柳町は交流戦18試合中、16試合で安打を記録。すべて三番打者としてラインアップに名を連ね、チャンスメーク、ポイントゲッターの役割を担い、交流戦Vに貢献した。さらに12球団トップの交流戦打率.397。「1打席1打席、集中した積み重ねの結果が(交流戦の)タイトルという形になれば自信になるし、ベストだと思います」と語っていたとおりの結果となった。

 今季は開幕二軍スタートだった。主力の近藤健介が開幕直後に腰の手術を決断し、4月1日に一軍昇格を果たしたが、当初はなかなか打率が上がらなかった。転機となったのは4月11日以来のスタメン出場となった4月23日のオリックス戦(みずほPayPay)だったという。

「第1打席で曽谷(龍平)投手からホームランを打ったのですが、実は試合前からタイミング自体はすごくいい感じで取れていて。この調子でヒットも出ればポンポンポンといくかなと思っていたところでのホームランだったんです。あれですごく、流れが変わりました。それまではいまいちしっくり来ていないというか。タイミングも全然合っていなくて、ちょっと差し込まれる部分がすごく多かったんです。後ろに体重をかけ過ぎていたので、バットを構える時点で右足と左足に5対5の力配分で体重が乗るように意識するように修正していく中で、打席に立ちたいという思いも強く持っていました。」

 第2打席では左前打、第3打席では右中間二塁打を放ち、3安打猛打賞をマークし、打率は.118から.238に上昇。さらに翌試合から2安打、1安打、3安打とヒットを重ねると、打率は.355まで上がった。その後もコンスタントにヒットを放ち、背番号32は打線に欠かせない存在となった。

 今年は課題だった対左投手の打率も.379。苦手を克服していることも大きい。

「左ピッチャーに関してはこれまでもいろいろと言われてきましたが、だからと言って今年も特別に何かを変えたということはないんです。そもそも、僕自身は左ピッチャーに苦手意識もなくて。ただ、ボールの見え方というところで、今年は左ピッチャーのほうが見え方はいいなというのは感じているんですよね」

 打率.342でパ・リーグ打率トップにも立つ。レギュラーを確固たるものにするために「僕の場合は打つこと、そこに尽きますね」と断言する柳町。リーグ戦再開後も安定したバッティングで打線をけん引し、ソフトバンクをさらに上昇気流に乗せていく。

【文責:週刊ベースボール】