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【コラム】「一番投げて、一番抑える」投手2冠を狙う、中日のエース左腕・大野雄大

 「すごい男だと思います」。中日・与田剛監督が最敬礼した。9月22日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)。中日先発の大野雄大は150キロに迫る直球と鋭く落ちるフォークを軸にヤクルト打線を抑え込む。許した安打はわずか2。2回二死から西田明央にヒットを打たれた後、パーフェクトに封じ、先発全員から11三振を奪う圧巻の完封劇を成し遂げた。完封勝利はリーグトップタイの今季3度目。エースの力投でチームの連勝は4に伸びた。

 前回登板の広島戦(マツダスタジアム)は4回4失点KOと最悪の結果だっただけに、「今回はしっかり投げたい」と雪辱に燃えていた大野。さらに、前日の試合後には与田監督が「大野が明日、一人で投げ切ってくれるのではないかと期待しています」と口にしていた。そのインタビューを自宅で聞いていた大野は「何とかしたいなと思っていました」とモチベーションを上げていたが、見事な投球で与田監督の願いを現実のものとした。

 わずか6試合で0勝3敗、防御率8.56と辛酸をなめた2018年から一転、25試合で9勝8敗、防御率2.58と復活した2019年。9月14日の阪神戦(ナゴヤドーム)ではノーヒットノーランを達成し、9年目で初タイトルとなる最優秀防御率にも輝いた。177回2/3の投球回数もリーグ1位。「一番投げて、一番抑える」と今季もチームの軸になることを誓った。しかし、開幕当初はつまずいた。3度目の開幕投手を務めた6月19日のヤクルト戦(神宮)は4回6失点。防御率13.50からのスタートとなり、開幕から5試合勝ち星なしと苦しんだ。

 7月24日の阪神戦(ナゴヤドーム)も5回1失点で降板。救援陣が打たれてチームは逆転負けを喫し、大野の勝ち星なしも6試合に伸びたが、ナゴヤ球場での残留練習でベテランの山井大介、藤井淳志に苦言を呈された。「お前が長いイニングを投げなアカン」。その言葉に火がついた。「僕だって、5回で代わっていいなんて思っていない」。最後まで投げ切ることを心に秘めると7月31日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で3失点完投の今季初勝利をマークした。

「ふがいなくて苦しかったですけど、2カ月勝てないのは今年だけじゃなかったので、そういう経験が生きた。今まではそのまま崩れていたけど、信じて金曜に投げさせてくれたので、それに応えたいという思いだけでした」。開幕投手を務めながら6試合未勝利は2017年と同じ。3年前は志願して回った中継ぎでも結果を残せず、再び先発に戻っても打ち込まれてシーズンも7勝に終わった。だが、たくましくなった今季は違う。その後も8月7日の巨人戦(ナゴヤドーム)、16日の巨人戦(東京ドーム)、23日のDeNA戦(ナゴヤドーム)、そして9月1日の広島戦(ナゴヤドーム)と5試合連続完投勝利(うち2試合は完封)。中日では1955年の石川克彦、1961年の権藤博、2006年の佐藤充に並ぶ球団記録となった。

 9月28日現在、防御率2.37はリーグ3位。1位の巨人・菅野智之は1.78と少し離されているが、まだタイトルをあきらめる差ではない。逆に大野が菅野を上回っているのは奪三振だ。2位の菅野に11個差をつける106奪三振でリーグトップに立っている。「狙って三振を取れる投手じゃないし、それよりも1球でアウトにできるほうがうれしい」と無関心を装うが「真っすぐがいいから三振が多いのは間違いない」と自信も見え隠れする。

 果たして、2冠を手中に収めることができるか。今後も竜のエース左腕のピッチングから目が離せない。

【文責:週刊ベースボール】