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【コラム】タイトル獲得へ隠さない“欲”、甘いマスクと強心臓が魅力の広島新人・森下暢仁

 ピンチでも動じない。10月10日のヤクルト戦(マツダスタジアム)、広島の森下暢仁は初回から真価を発揮した。2本の安打と四球で無死満塁のピンチをつくり打席には四番・村上宗隆。フルカウントまでいき、3球ファウルで粘られたが最後は内角高めのストレートで空振り三振。続く青木宣親は三ゴロ、中山翔太は空振り三振でピンチを切り抜ける。3対0で迎えた6回にも山田哲人の安打と連続四死球で一死満塁とされたが、代打・宮本丈を空振り三振、西浦直亨を見逃し三振。「自分でピンチをつくっているので、何が何でもゼロで抑えようという気持ちで頑張りました」。2度の満塁を切り抜け、6回4安打無失点、8奪三振で今季8勝目をマークした。

 「いい心臓を持っている。気持ちの入りようが素晴らしい。本当に並大抵のことではない」と佐々岡真司監督も絶賛する新人右腕。新人王争いのライバル・巨人の戸郷翔征に勝ち星で並んだ。98回2/3と規定投球回にも到達し、防御率2.28はリーグ4位。奪三振も104を数えるが、これらは戸郷を上回る。「全然、意識しています。獲りたい気持ちはどんどん強くなっています」と森下は新人王への“欲”を隠さない。甘いマスクは多くの女性ファンをとりこにしているが、負けん気の強さも大きな魅力だ。

 プロ初勝利は2度目の登板、6月28日の中日戦(ナゴヤドーム)だった。「絶対勝とうと、前の登板よりさらに気持ちを入れて腕を振りました」というこの日は、8回まではわずか5安打2四死球で無失点。完投目前の9回に3失点して初完封、初完投は逃した。「“これでスタートできた”という気持ちでした。1勝できてホッとしたというよりも、これからまだまだ、一つひとつ(勝利を)積み重ねて頑張っていきたいな、という気持ちのほうが強いです」と前を見据えたが、7度目の登板で待望の瞬間が訪れた。8月14日の阪神戦(京セラD大阪)だ。5回二死まで一人の走者も出さない投球で、先発全員から奪三振を記録。9回を投げ無四球で、許した安打は単打2本。自己最多の12三振を奪い、二塁すら踏ませない見事な完封勝利を果たした。新人で2ケタ奪三振&無四球での完封勝利は球団初の快挙でもあった。

 「一人ひとりのバッターに対して、やっぱり向かっていくというか、1球1球、集中して投げるということを意識してやっています。いい位置で周りの野手の皆さんが守ってくれているというのがあるので、とにかく、バックを信じて投げるということを意識してやっています」

 150キロ前後の直球が主体の本格派だが、随所に見せるカーブもいいアクセントになっている。「カーブは緩急を使えるボールだと自分の中では思っています。ですから、ストレートをより速く見せたい場面でカーブを1球挟んでストレートを生かしたり、また、カーブがあることで、カットボールなどの中間球も、より生かすことができると思います。もちろんカーブで打ち取れるときもあるので、比較的、バッターと状況によって、いろいろな形で使えるボールだと思います」。ストレート、カーブに加え、カットボール、チェンジアップと持ち球のいずれもが一定のレベルを満たし、カウント球でも勝負球でも使えるところが強みとなっている。

 シーズンも最終盤となっているが今後、森下には4試合の登板が予想され、2ケタ勝利に到達すれば新人王の可能性は大きく高まるだろう。「自分の結果次第。1試合1試合、結果を出してつかみ取りたい」。球団では2014年大瀬良大地以来、6年ぶりの栄誉に輝くことができるか。今季は下位に低迷しているが、背番号18のピッチングは広島の希望の星となる。

【文責:週刊ベースボール】