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【コラム】プロ野球史上初の快挙へ視界良好、楽天・涌井秀章の光る安定感

 史上初の快挙へ視界は良好だ。10月14日のロッテ戦(ZOZOマリン)に先発した楽天・涌井秀章。試合開始直後、藤原恭大へ初球を投げた際に踏み出した左足を滑らせ、尻もちをついてしまう。転倒しながら打球の行方を目で追うと、白球は右翼席へ吸い込まれていった。その後もマウンドを掘ったり、スパイクの裏を気にしたりする仕草がたびたび見られた。

 だが、このままズルズルいかないのがこの右腕のすごさだ。「足がはまる『自分の場所』が見つかった」という本人の言葉どおり、尻上がりに本来の投球を取り戻していく。3回には藤原の安打、加藤翔平への死球で一死一、二塁のピンチを招くも、続くマーティン、安田尚憲をいずれも中飛に打ち取り、追加点を許さなかった。7回108球、6安打1失点の好投で11勝目。最多勝争いを演じるロッテ・美馬学に「2差」とした。西武、ロッテ時代に続く前人未到の「3球団最多勝」へ突き進んでいる。

 昨オフ、金銭トレードでロッテから楽天に加入。昨季は3勝7敗に終わった通算133勝右腕が、復活できるのか。楽天ファンの視線を一身に浴びた。果たして、背番号16は開幕から8連勝。最高の結果を残したが、移籍によって意識が変わったことがプラスに作用しているという。「今まではチームのエースとしてやってきました。楽天に来て、則本昂大がエースという立場なので、正直、肩の荷が下りた。でも、則本に勝てるようにやっていきたい。今年の1年はすごく大事になります」と涌井は口にしていた。

 さらに快投を支えているのが「こやシン」だ。2月のキャンプ中、小山伸一郎投手コーチに握りを教わって自分なりにアレンジした新球シンカーを習得。敬意を込めて自ら命名した「こやシン」は130キロ台で、左打者の外角へ揺れ落ち、右打者の内角に食い込む、やっかいな球だ。ストライクゾーンの中で変化しているため、打者が振りにきたとき、そこからずれていくので“ボールがない”と思わせるイメージ。この新球で投球の幅がさらに広がった。

 「シンカーは簡単にカウントを取れることと、内野ゴロを打たせられること、この2つがすごく大きい。ゴロを打たせるボールではありますが、決まった変化をしているわけではありません。思ったとおりの軌道でいけばゴロになるし、落ちずに横に滑り、シュートのように変化するとフライになったりもします。今年は1試合で20球くらいは使っているはず。僕は性格的にラクをして投げたい人なので、このシンカーはすごくいいです。長い回を投げられる要因の一つにもなっていると思います」

 刺激を受ける人物もいる。メジャー・リーグで日本人初となる最多勝を獲得した同学年のダルビッシュ有(カブス)だ。「一緒にプロ入りしてずっと競い合ってきた仲。一番気になる存在でもあるし、あいつのニュースだけは結構、気になりますね。意識してくれるように頑張りたいと影で思っています」とライバル心を燃やす。

 今季先発した17試合中、6回を投げ切れなかったのはわずか3試合。また、100球を超えた登板は14試合と安定感とスタミナが光る。三木肇監督も「本当に頼れる投手。練習に対する姿勢など若手も見て学ぶ部分が多い」と絶賛。涌井が3球団目で再び“頂点”に立てるか。最後まで、そのピッチングから目が離せない。

【文責:週刊ベースボール】

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