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【コラム】優勝の原動力となりそうな黄金ルーキーを探せ!/セ・リーグ新人事情

 巨人で先発ローテーション入りを期待されているのがドラフト1位の平内龍太だ。キャンプを一軍で完走、開幕先発ローテーション争いにも参戦し、有力な候補の1人。150キロ超の力のある真っすぐが大きな武器で、エース・菅野智之もその能力の高さを評価している。キャンプ、オープン戦と野手で大きな注目を集めたのはNPB日本人野手最長身の秋広優人だ。二松学舎大付高からドラフト5位で入団した身長200センチの大型内野手で、キャンプ中に一軍昇格を勝ち取ると、練習試合、オープン戦では下位ながら一塁、DHで多くの出場機会を得て打点も記録。まだ粗さはあるものの、思い切りの良いスイングが魅力で、打球速度と飛距離は、チーム内では不動の四番・岡本和真に次ぐほどの力を持つ。開幕戦で先発を勝ち取れば球団の高卒新人では1959年の王貞治以来で、大きな期待がかけられている。

 阪神で開幕スタメン濃厚なのがドラフト1位の佐藤輝明だ。身長187センチ、体重94キロの恵まれた体格を誇り、鋭いスイングからオープン戦では12球団1位の6本塁打を放っている(3月17日現在)。守備は外野も内野も守れてスローイングも正確。足も速く、攻守走そろった選手で、新人王の筆頭候補だろう。ドラフト8位の石井大智も開幕濃厚だ。ドラフトでは支配下選手で最後の指名。しかし、一軍キャンプに抜てきされると、140キロ台後半の真っすぐとシンカーを巧みに使い打者を圧倒。特に真っすぐは分かっていても空振りやファウルが奪える伸びが強烈だ。勝ちパターンのリリーフに食い込んできそうだ。さらにドラフト2位の伊藤将司も開幕先発ローテ入りを狙い、ドラフト6位の中野拓夢もパンチ力のある打撃でアピール。プロに慣れたら今季中にレギュラー確保もあり得るだろう。

 中日のドラフト1位、髙橋宏斗も順調な調整ぶりを見せている。キャンプではチーム最速の153キロをマーク。キレのある真っすぐは一級品だ。高卒のため、まずは二軍で下半身を中心に鍛え上げる予定だが、早ければシーズン序盤の一軍デビューも感じさせる存在感を見せている。即戦力の期待で言うならば、ドラフト6位の三好大倫だ。キャンプでは新人唯一の一軍スタートとなり、攻守走でアピールに成功。積極的なプレーが首脳陣に好印象を与えている。パンチ力のある打撃に磨きがかかれば、熾烈な外野争いを制して開幕スタメンもある。ドラフト2位の森博人はスリークオーターから繰り出す真っすぐが魅力。先発よりも短いイニングで力を発揮する中継ぎタイプ。勝利の方程式の輪に加わる力は十分に備えている。

 DeNAには一軍戦力となりそうな新人が3人いる。ドラフト1位の入江大生は187センチの長身から投げ込む最速153キロの真っすぐと、キレのある変化球を武器にする本格派右腕。明大では昨季の新人王である広島・森下暢仁の1学年下の後輩。偉大な先輩の背中を追いかけ、開幕から先発ローテ入りが期待される。ドラフト2位の牧秀悟は持ち味の強打を発揮。キャンプ、オープン戦と与えられた打席でしっかりと結果を残してきた。パワーのみならず、バットコントロールにも優れ、守備では本職の二塁以外に一塁でも軽快な動きを見せている。来日が遅れているソトに代わり、開幕スタメンの可能性もあるだろう。3人目はドラフト5位の左腕・池谷蒼大。ボールの出どころが見えづらい独特なフォームで、中継ぎで重宝されそうだ。

 広島は今季、支配下登録の新人6人のうち大学、社会人から入団の4選手が一軍キャンプに参加したが、全員が開幕一軍を手にしそうな勢いだ。3人の投手は、3月14日までの実戦ではリリーフで起用されているが、いずれも持ち味を出した投球で好投を続けている。ドラフト1位の栗林良吏は威力のある真っすぐと、カーブ、フォーク、カットボールがあり、クローザー候補に浮上。ドラフト2位の左腕・森浦大輔はスピードこそ140キロ台ながら、懐を突くクロスファイアと外のチェンジアップで対右打者にも不安はない。左打者にはスライダーも効果的な実戦派で、中継ぎで使えそうだ。ドラフト3位の大道温貴は気迫を前面に真っすぐで押す投球が持ち味で、中継ぎや抑えでフル回転が予想される。ドラフト6位の内野手・矢野雅哉も、遠投130メートルの強肩を利した守備が抜群。打撃でもしぶとさを見せており、ベンチにとっては使い出がありそうな選手だ。

 ヤクルトで注目したいのはドラフト4位で入団した元山飛優だ。東北福祉大時代から世代屈指の守備力を誇り、侍ジャパン大学代表にも名を連ねた。正遊撃手候補の筆頭は西浦直亨だが、廣岡大志が巨人へトレード移籍したこともあり、チャンスは広がっている。投手力に不安のあるチームだけに、持ち前の広大な守備範囲と強肩で、投手陣をバックアップしていきたい。その不安な投手陣に加わる2人の大卒投手にも注目だ。ドラフト1位右腕の木澤尚文は最速155キロの真っすぐが最大の武器。スプリットやカーブ、カットボールを駆使して三振が奪えるパワーピッチャーだ。ドラフト2位の山野太一は、ゲームメーク能力に優れた左腕。6種類の多彩な変化球を操る技巧派だ。ともに長いイニングを投げるスタミナもあり、1年目から先発ローテ入りへ、期待がかかる。

【文責:週刊ベースボール】