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【パ・リーグ後半戦展望】オリックスが25年ぶりの優勝を果たせるか、首位から5位まで6.5ゲーム差と混戦模様のパ・リーグ

 前年最下位だったオリックスが前半戦首位ターンを決めたパ・リーグ。ただし、他チームも引き離されることなく、5位まで6.5ゲーム差と混戦模様だ。60試合前後の残り試合を考えれば何が起こっても不思議ではない。

 課題の得点力不足を解消したオリックスだが打線は水もの。攻撃面を支えた宗佑磨、杉本裕太郎もフルシーズンを戦った経験はなく、不安はゼロではない。それだけにエキシビションマッチでは一、二軍をシャッフル。来田涼斗、宜保翔、西村凌ら若手や前半戦に一軍出場がなかった面々を積極起用し、主力にも刺激を与えて、さらなる奮起を促した。一方で変わらぬ悩みの種が救援陣、特に抑えだ。37歳・平野佳寿の連投は厳しいだけに、代役クローザーの適任者探しが続く。エキシビションマッチでも張奕が9回に失点して勝利を逃しており、後半戦も手探りの起用になりそう。強固な先発陣に打線も活発だけに、あとは勝ち継投を固めれば、25年ぶりの悲願も近づいてくる。

 2位の楽天は前半戦、投手陣ではドラフト1位ルーキー・早川隆久の台頭が大きかった。一時はリーグトップに立つ7勝をマーク。疲労により登録抹消もあったが、後半戦に向けて万全の調整を続けており、2ケタ勝利も期待できそうだ。先発陣では涌井秀章、岸孝之、8年ぶり復帰の田中将大で貯金がつくれなかったことは誤算だが、則本昂大を含めて、勝負どころで力を発揮することに期待したい。打線では島内宏明がリーグトップの66打点と勝負強さを発揮中。昨季本塁打王の浅村栄斗は10本塁打ながら高い出塁率を誇っている。また、岡島豪郎もリーグ2位の打率.335と打撃好調。2人の新助っ人が機能しない中で、打線はつなぎを意識して得点を積み重ねたいところだ。

 前半戦、ロッテは12球団トップの384得点をたたき出し、74盗塁もリーグトップと攻撃面が機能して3位に。それだけに課題は投手陣、特に先発が後半戦のカギを握る。石川歩が故障離脱し、美馬学は前半戦終盤に不振で二軍落ち。開幕投手の二木康太も勝負どころで被弾が目立ち4勝と白星が伸び悩む。岩下大輝、小島和哉が奮闘する中で、キーマンとなりそうなのが佐々木朗希だ。前半戦は登板後に登録抹消で中10日以上の登板も、エキシビションマッチでは中6日で登板。8月3日の中日戦(バンテリンドーム)は5回1安打1失点(自責点0)と好投し、本格的な先発ローテーション入りも問題なしをアピール。打線が活発だけに、先発投手がしっかり試合をつくれば首位奪取も見えてくる。

 毎年ケガ人には悩まされるソフトバンクだが、今季は4月にエース・千賀滉大、5月に四番・グラシアル、守護神・森唯斗と投打の核が相次いで離脱。例年以上に苦しい状況に。セットアッパーのモイネロがキューバ代表として東京五輪米大陸予選に参加して不在だった交流戦では5勝9敗4分けと負け越し。特に攻撃陣は好不調の波が大きく、最後まで調子を上げることはできず前半戦は4位に。だからこそ、後半戦に向けては攻撃陣の立て直しが最優先だ。エキシビションマッチでは若手も積極的に起用し、攻撃のバリエーションを増やした。新加入のアルバレスの存在も、勢いをもたらしてくれそうだ。また、レイが電撃退団した先発陣も千賀が復帰してリリーフ陣の負担を軽減したい。投打がかみ合えば、昨季終盤のような大型連勝で一気に突き抜けられるチーム。一丸となって逆転Vを目指す。

 前半戦は借金5の5位に終わった西武。苦しい戦いが続いたのは開幕から主力野手にケガ人が続出したからだ。辻発彦監督は「やり繰りが大変過ぎて、固定した打線が組めなかった」と嘆いた。しかし、主力不在の中、呉念庭、愛斗、岸潤一郎らが台頭。野手陣の層が厚みを増したのはプラス材料だ。前半戦は得点圏打率.167と苦しんだ山川穂高もエキシビションマッチで2本塁打を放つなど復調気配。メンバーがそろう後半戦は打線が力を発揮しそうだ。一方、前半戦のチーム防御率がリーグ最下位だった投手陣はエキシビションマッチでもピリッとしなかった。髙橋光成、松本航、今井達也以外の先発4番手以降が不安定で、リリーフ陣も平良海馬の孤軍奮闘状態から抜け出せるか不透明。いずれにせよ、逆転優勝を果たすためには投手陣の奮起が求められる。

 打率.232、46本塁打はともにリーグワースト。最下位に終わった日本ハムは貧打が前半戦低迷の要因だった。昨季の打点王、中田翔が不調で5月に登録を抹消。6月に一軍復帰するも急性腰痛を発症して再び二軍調整となった。近藤健介、王柏融らが健闘したものの、主砲不在の穴は埋まらなかった。投手陣は上沢直之、加藤貴之、新人・伊藤大海の先発3本柱が安定感を見せ、リリーフも堀瑞輝、ロドリゲスから抑えの杉浦稔大につなぐ勝ちパターンが確立、整備されてきた。となれば、浮上のカギはやはり攻撃陣。淺間大基、髙濱祐仁、万波中正ら勢いのある若い力に、中田と同じく、前半戦スランプに陥った大田泰示ら既存戦力の奮起だろう。両者の融合で得点力アップに期待。上位5球団に食らいついていきたい。

【文責:週刊ベースボール】