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【コラム】大ケガを経て3年ぶりの2ケタ勝利達成、逆転の発想で復調した日本ハム・上沢直之

 相手に隙を見せない見事なピッチングを披露した。9月24日のソフトバンク戦(PayPayドーム)。日本ハム先発の上沢直之は力のある直球に多彩な変化球を交え、ソフトバンク打線を抑え込む。4回まで無安打投球。8回、甲斐拓也にソロを浴びたが、それ以外の2安打は内野安打と相手を寄せ付けず、8回3安打1失点で3年ぶりの2ケタ勝利を手にした。「ケガをしてから、いろいろつらいことがあったし、こうやって勝つことができたのは、家族や治療で支えてくれた裏方さんのおかげです」。喜びを表した上沢の言葉には実感がこもっていた。

 2019年6月18日のDeNA戦(横浜)。上沢の左ヒザを打球が直撃し、その場に倒れ込んだ。左ヒザ膝蓋骨骨折。分かりやすく表現すれば、左ヒザの皿が完全に真っ二つに割れたということだ。翌日に手術を受け、当初は全治までに5カ月とされたが、手術から約4カ月を過ぎても屈伸もままならず、さらに5カ月を経過してもキャッチボールで踏み込む左足には表現しがたい違和感が残った。それでも一つずつできることを消化。20年6月の練習試合で復帰し、二軍戦での調整を経て、6月30日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で一軍マウンドに立った。9月1日の楽天戦(札幌ドーム)では完投勝利もマーク。昨季は8勝を挙げたが、やはり2ケタ勝利は格別な味がした。

 ただ、今季は開幕から順調だったわけではない。3月26日、開幕の楽天戦(楽天生命パーク)は4回2/3を6失点、続く4月3日のロッテ戦(札幌ドーム)も6回2/3を5失点と連敗スタートとなった。「技術的な面でしっくりきていない部分があって、思ったようなボールが投げられませんでした。変化球ではフォークの精度が今一つ良くなかったです」。

 そこで逆転の発想を試みた。

 「これまでフォークを投げるときは、ずっと腕を振ることを意識してやっていました。真っすぐよりも強い腕の振りです。ところが、今年に関してはどうしても高めに抜けてしまうことが多かった。そこで、逆に腕を振らないようにしてみたんです。真っすぐよりも腕を振らずに、とにかく低めに投げることに意識を変えてみた。そうしたら、ボールの落ちも良く、なおかつスピードもそれほど落ちなかったんです。打者の反応も上々。それ以降はフォークの精度がぐっと上がり、コントロールできるようになりました。それが今の成績につながっているのかなと思います」

 さらに、キャンプから投球フォームに気を配って投げていたが、「良いフォームで投げたから良いボールが行くのではなく、『良いボールが行った形が良いフォーム』なんだ」と考え方を改めた。投げるまでの過程を大事するのではなく、良い結果だった形が理想だと思うようにしてから、体の動きが格段に上がったという。

 チームは最下位に低迷しているが、集中力を切らさずに勝利を呼び込んできた。「先発の役割を果たすだけです。チームがリードを保った状態で次にバトンを渡したい。なおかつ、毎試合7イニング以上は投げたいですね」。疲労を考慮され、25日に出場選手登録を抹消されたが、一軍復帰後には再びマウンドでエースらしいピッチングを披露する。

【文責:週刊ベースボール】