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【コラム】球団生え抜き最多の19本塁打をマーク、楽天の勝負強き四番・島内宏明

 「ここで終わらずに20本は打ちたい」と表情を引き締めた。9月30日の日本ハム戦(楽天生命パーク)、5点リードの5回裏、先頭で打席に入った楽天の四番・島内宏明。フルカウントから西村天裕が投じた外角高めのストレートをとらえると打球は左翼席へ飛び込んだ。9試合ぶりの一発は2018年田中和基の18本塁打を抜く、球団生え抜き最多19本塁打となった。

 「最近、試合前の西口(直人)の目が血走っていたんですよね。多分、今もブルペンで目が血走っていると思います。それを見習って、目を血走らせて打ちました。名付けて“西口の血走り”打法です。(真顔で)」。試合中、球団広報から配信される島内のコメントがファンやメディアに注目されているが、今回もユニークな“島内語録”でメモリアル弾について語った。

 自己最多は17年の14本塁打だったが、「今年は長打を打つことを意識した」と明かす。そのために心掛けていたのはバットを軽く振ることだ。「体をうまくねじってあげて、そのあとはもう、軽く振る、という感じです。そこは去年と少し変わったところですね。打撃フォームも見えない部分で少しだけ変わっています。バットに力が伝わりやすい感じにはなっていますね」。

 5月16日のオリックス戦(京セラD大阪)で5号ソロを放った際には「試合前に石井監督のメジャー1号ホームランを見て、そのホームランをイメージして打ちました」とコメントしたが、投手の打撃動画も目にするなど、あらゆるものからヒントを得ようとしている。「いろいろな人のバッティングを見て、『ここの使い方がいいから打球が飛ぶんだな』とか、とても勉強になります。移動中とかによく見ていますね」。

 今季は無類の勝負強さも発揮している。10月4日現在、88打点は2位のロッテ・レアードに4打点差をつける単独トップ。打率.259ながら得点圏打率では.339と、その数字がはね上がるのだ。4月末から主に四番に座る。ラインアップの中心で打線を牽引してきたが、島内はあくまで自然体だ。

 「確かに得点圏打率は高いほうがいいんでしょうけど、そんなにこだわりはないです。走者がいるときには併殺が頭をよぎるときもありますが、なるべくそこは『打ってしまっても仕方がない』くらいの気持ちで打席に入らないとダメなのかな、と。『ゲッツーはダメだ、ダメだ』と思うと逆にそういうところに飛んだりするので。あまり考え過ぎずに甘い球をしっかり狙っていくという考えを持っていけたら、もっと打てるのかなと思います」

 楽天は現在、首位・オリックスと5ゲーム差、2位・ロッテと3.5ゲーム差の3位。残り20試合を切っているが、13年以来の優勝は貪欲に狙っていく。

 「あのとき(13年)は寮生だったので、寮のテレビで見ていましたね。ただそのときは2年目と若かったですし、すごくガムシャラにやっていたので、あまり何とも思わなかったというか……、ファン目線でしたね(笑)。今は本当に優勝したいなと思っています」

 シーズン最終盤、8年ぶりの栄冠へ向けてチームを押し上げる一打を放ち続ける。

【文責:週刊ベースボール】