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【パCSファーストS回顧】楽天とのタフなゲームを制したロッテがオリックスへのリベンジを期すファイナルステージへ

 パ・リーグの「2021 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージが11月6日からZOZOマリンで開催され、ロッテが1勝1分けで楽天を下し、ファイナルステージ進出を決めた。

 ロッテの若き右腕が流れを呼び込んだ。史上最年少となる20歳0カ月でCS初戦の先発マウンドに上がった佐々木朗希。初回からエンジン全開だった。先頭の山﨑剛を遊ゴロに打ち取ると二番・岡島豪郎の3球目にはプロ入り後、自己最速となる159キロをマーク。さらに三番・浅村栄斗には1ボール1ストライクから2球続けて外角低めに159キロ直球を投げ込み見逃し三振。浅村がまったく反応できないほどの球威とキレを誇った。

 2回に自らの失策が絡んで先制点を与えるも、150キロ超のストレートに落差の異なる2種類のフォークを交えて毎回の10奪三振。6回1失点とゲームメークしたピッチングに井口資仁監督は「エースに近い投球だったと思います。初戦でこういう投球ができる。いくつになってもできない人はできないと思いますし、そういう星の下に生まれたのではないでしょうか」と手放しで称賛した。

 助っ人も奮闘した。1点を追う3回、一死満塁からレアードが逆転2点適時安打。再び1点を追う8回二死からはエチェバリアが打席に。前の打者、レアードが空振り三振に倒れた際、マウンドの松井裕樹がほえた姿が目に入ったという。相手に敬意を欠いた態度に見えたエチェバリアは闘志を燃やした。「日米の文化の違いだと思うが、少し変に感じた。仕返しをしてやろうという気持ちだった」。松井が投じた2球目、146キロ直球をとらえた当たりは左翼席へ。値千金の同点ソロに球場は大興奮に包まれた。

 9回には佐々木朗と同期入団の2年目捕手が決めた。一死二塁の好機に代打で登場した佐藤都志也。「好投した朗希のためにも、負け試合にさせちゃいけないと思って準備していた」という背番号32が右中間を破るサヨナラ打を放ってロッテが先勝した。

 第2戦では高卒3年目の大砲・山口航輝のバットが火を噴いた。「本塁打は狙わずに塁に出ることを意識し、自分のスイングをしようと思って打席に入りました」と言うが4回にはエンドランから左翼線へ同点適時二塁打、6回には右翼ポール直撃の一時勝ち越し弾を含む3安打をマーク。佐藤都とともに強化指定選手として11月から1日1000スイングが課せられてきたが、その成果が見事に表れた。

 さらに助っ人が再び魅せた。1点を追う7回だ。「1点差で負けていたので、ホームランを狙うしかない」と考えていたマーティンが二死から打席に入る。酒居知史-炭谷銀仁朗の楽天バッテリーもそれを察してか5球連続フォークでフルカウントに。そして、6球目。この打席で初めて投じられた内角ストレートを完璧にとらえると打球は右翼席へ突き刺さった。9月半ばに自打球を右足甲に当て、それが癒えないまま強行出場を続けている助っ人の魂の同点弾だった。

 9回は守護神・益田直也が楽天打線をゼロに抑え、規定により9回表で終了のコールドゲームで引き分け。ロッテがオリックスとのファイナルステージへとコマを進めた。

 敗れた楽天の石井一久監督は「1勝もできなくてとても残念。でも、内容的にはみんなが立ち向かっていってくれていました」と選手をねぎらった。ロッテの井口監督は「2試合とも本当にタフなゲームでした。シーズン中もそういうゲームが多かったですけど、選手たちが最後までしっかり戦ってくれました」と笑顔。141試合目でリーグ優勝を逃した際には「悔しさしかない」と口にしていたが、オリックスへリベンジを期す戦いがすぐに始まる。

【文責:週刊ベースボール】