【球跡巡り・番外編】公式戦開催全球場のデータを更新します
NPB公式サイトの球場情報の中にある「公式戦開催全球場」には、球場毎にこれまで開催した試合数や本塁打数などのデータが記載されています。2022年シーズンを前に、昨年度行われたセ・パ公式戦858試合のデータを加算しました。
12球団本拠地球場では、千葉ロッテのZOZOマリンスタジアムの本塁打が2914本となり、今シーズン中にNPB公式戦開催球場では15球場目の3000本塁打が刻まれそうです(昨年、ZOZOマリンでは160本塁打)。また、中日のバンテリンドーム ナゴヤではあと2本で2000本塁打に到達します。記念の第1号を記録したのは今季から指揮を執る立浪和義監督でした。こけら落としとなった1997年4月4日対横浜戦の1回裏、盛田幸希投手からライトスタンドへ先頭打者本塁打を放ちました。四半世紀の時を経て、監督として一塁ベンチから見届ける節目のアーチは誰が記録するでしょうか。
昨年から本拠地球場のデータには、個人の「通算本塁打」「通算勝利」の上位者を掲載しましたが、今年は「通算安打」「通算打点」「通算セーブ」「通算奪三振」を追加しました。個人の球場別通算記録はこれまで露出が少なく、注目度は高くありませんでしたが、ランキングにすると味わい深いものがあります。
NPB歴代11位の2432安打を記録した石井琢朗(現DeNA野手総合コーチ)は、横浜スタジアムで通算1075安打。現12球団本拠地球場で1000安打超えは唯一の記録です。その大台に今シーズン二人の選手が挑みます。
埼玉西武の本拠地ベルーナドームでは栗山巧外野手が981安打と肉薄。西武一筋21年目のヒットメーカーが、石毛宏典(857安打)、伊東勤(813安打)らも成しえなかった記録を球場開設44年目で打ち立てそうです。巨人の東京ドームでの最多安打は阿部慎之助(現巨人作戦兼ディフェンスチーフコーチ)の969安打ですが、坂本勇人内野手はそれに次ぐ959安打をマークしています。東京ドームでの最多安打記録更新と、1000安打達成に注目してください。
また、過去に本拠地として使用された以下の10球場についても、同様に個人球場別通算記録を掲載しました。
東京スタジアム、駒澤、川崎、ナゴヤ、大阪、日生、藤井寺、ほっともっとフィールド神戸、広島市民、平和台
多くが閉鎖され現存するのはナゴヤと、ほっともっとフィールド神戸の2球場です。初めてプロ野球を見たあの球場で、声をからして熱い声援を送ったあの球場で、誰よりも多くの数字を記した選手は誰でしょう。記憶をたどりながら、記録をながめていただければ幸いです。
【NPB公式記録員 山本勉】