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【コラム】優勝の原動力となりそうな黄金ルーキーを探せ!/セ・リーグ新人事情

 連覇を狙うヤクルトで開幕から一軍戦力となりそうなのが、ドラフト2位の丸山和郁だ。広い守備範囲と強肩が武器の外野手で、春季キャンプは新人唯一の一軍キャンプ入り。オープン戦では塁に出ればダイヤモンドを駆け回り、ライトの守備では好返球で三塁を狙う走者を刺した。外野のポジションには青木宣親、塩見泰隆、サンタナとレギュラーがそろっているため、まずはセールスポイントの強肩と俊足を生かし、守備で投手陣をバックアップすることになりそうだ。また、即戦力ではドラフト1位の山下輝にも注目。188センチ100キロの大型サウスポーだが、コントロールも良くゲームメーク能力に長けている。昨秋に左腕を疲労骨折したこともあり、待望のデビューは今季終盤か。優勝争いが繰り広げられるシーズン終盤にチームを救う投球に期待だ。

 阪神で今季開幕一軍入りが濃厚な新人はドラフト3位の桐敷拓馬だ。178センチ90キロとがっちりとした体格から、伸びのある直球と鋭い変化球をコーナーに決めていく。開幕3戦目の先発が有力で、その後も先発ローテの一角として活躍が期待される。高卒新人にも注目だ。ドラフト1位の森木大智は二軍で調整していくことになるが、早い段階で一軍に呼ばれそうな状況。3月17日、大商大とのプロアマ交流戦(鳴尾浜)では直球が151キロを計測するなど2回1安打無失点に抑えた。ドラフト4位の前川右京はオープン戦に帯同。18日のオリックス戦(京セラD大阪)では山本由伸からヒットを放つなどバットコントロールは抜群だ。ドラフト7位の捕手・中川勇斗は12日の中日戦(甲子園)で9回にマスクをかぶった。そのほか大卒、社会人出のドラフト2位・鈴木勇斗、ドラフト6位・豊田寛も即戦力の期待が高く、二軍で経験を積んで一軍入りを目指している。

 巨人で大きなインパクトを与えているのがドラフト1位の大勢だ。スリークオーター気味のフォームから繰り出される直球は威力十分。実戦に入ってから最速を自己最高の158キロまでアップさせている。変化球でも簡単にストライクが取れるマウンド度胸も満点。ブルペン事情もあって中継ぎ起用が決まったが、オープン戦では9回のマウンドでも試されており、クローザーへの大抜擢があってもおかしくない。さらにドラフト3位の赤星優志も開幕先発ローテーション入りを期待されている。キャンプから抜群の制球力を見せつけて首脳陣をうならせると、オープン戦でも安定した投球を披露。戸郷翔征や髙橋優貴が出遅れ、開幕投手の菅野智之以外は先発ローテーションが定まらない中で、先発陣の救世主になるかもしれない。2人の大卒右腕が投手陣全体を底上げすることは間違いないだろう。

 広島の新人は支配下7人のうち5人が大卒・社会人出。彼らはチームの課題を埋める救世主となるかもしれない。まずは投手陣。ドラフト1位・黒原拓未とドラフト5位・松本竜也は、ともに中継ぎでの開幕一軍入りが“内定”。佐々岡真司監督は「あとはどこの役割になるか」と構想を巡らせる。力強い直球が持ち味の黒原に対して、松本は緩急をうまく使って打者に的を絞らせない。タイプの違う2投手だが、オープン戦が進むにつれて安定感を発揮。ここ数年なかなか固定することのできなかった勝ちパターン入りも見えている。野手陣ではドラフト3位・中村健人とドラフト6位・末包昇大が開幕一軍入りへラストアピール。ともにオープン戦で打率自体は振るわないものの、とらえれば飛距離抜群の打球を飛ばすパワーは魅力的だ。両者とも右打ちの外野手とあって、MLB・カブスに移籍した鈴木誠也の後継者候補と言われている。

 立浪和義新監督の下、再出発を切った中日で即戦力として活躍が期待されるのはドラフト2位の鵜飼航丞だ。スイングスピードの速さはチームトップクラスで天性の飛距離、パワフルな打撃は見ていて爽快。左翼の守備も無難にこなし、チームの大きな課題でもある得点力不足を補う大砲として貴重な存在になりつつある。ドラフト1位のブライト健太も実戦向き。鵜飼と同じ長距離砲だが、高い身体能力は広いバンテリンドームにはうってつけ。躍動感あふれるプレーでファンを魅了するに違いない。ドラフト3位の石森大誠もまた即戦力として大きな期待がかかる。九州アジアリーグから初めて誕生したプロ野球選手。投手王国のチームではあるが、キレのある直球とフォークを武器に中継ぎ左腕としてリリーフ陣に加わりそうだ。

 DeNAのドラフト1位の注目右腕・小園健太はキャンプでは一軍に帯同したものの、高卒ということもあり、しばらくはファームで育成に主眼を置いたメニューをこなす。一軍戦力として期待されるのが大学出身の3選手だ。開幕一軍の可能性もあるのがドラフト4位右腕・三浦銀二だ。オープン戦では先発するも2回途中5失点KO。しかし、リリーフでは4試合で計6回無失点と好投する。当面は中継ぎでの起用となる模様で、武器である力強い直球で打者をねじ伏せる。三浦が力ならドラフト2位の徳山壮磨はボールのキレで勝負する。キャンプでは三浦らと一軍で過ごし、オープン戦では3試合で防御率3.86。現在はファームで調整するが、シーズン中の一軍昇格は十分にある。野手ではキャンプから一軍帯同を続けたドラフト6位・梶原昂希が面白い存在。オープン戦では鋭い打球を飛ばし、持ち味である俊足で果敢に次の塁を狙った。こちらもファームで経験を重ねながら虎視眈々と一軍昇格を狙う。

【文責:週刊ベースボール】