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【コラム】開幕直前!2022年セントラル・リーグ展望

混戦必至のセ・リーグ。ペナント最終盤まで目の離せない展開に

 今年のセ・リーグは混戦必至だ。昨年はヤクルトが前年最下位からリーグ優勝を飾り、20年ぶりの日本一に駆け上がった。村上宗隆、奥川恭伸ら若手中心のチームはまだまだ発展途上でさらに進化する。今年はリーグ連覇を目指すが、その道は容易ではない。V奪回を目指す巨人、2年連続2位の阪神ら他球団は勝利に飢えている。昨年同様にペナントレース最終盤まで目が離せない展開になりそうだ。

 ヤクルトは昨年の日本一が大きな自信になっただろう。塩見泰隆、山田哲人、村上、オスナ、サンタナと強打者がそろった打線はリーグ屈指の破壊力だ。40歳の青木宣親も健在で、打線の「つなぎ役」を果たす中村悠平の存在も大きい。中村は今年から背番号が「27」に。下半身の張りで開幕は絶望的だが、球界を代表する捕手として活躍したOBの古田敦也氏の番号を継承し、今年も攻守でキーマンになる。投手陣は奥川、高橋奎二、小川泰弘、原樹理、石川雅規、高梨裕稔ら先発のコマはそろっている。昨年は清水昇、今野龍太、マクガフら強力救援陣が奮闘したが、延長12回制の今年は負担をかけたくない。先発陣の踏ん張りがリーグ連覇のカギを握りそうだ。

 阪神は春季キャンプ前日に矢野燿大監督が今年限りの退任を表明。異例の宣言だったが、チームの結びつきがより強固になったように見える。昨年最多勝を獲得した青柳晃洋は新型コロナウイルスの影響で開幕投手を断念したが、先発陣の陣容は12球団屈指。秋山拓巳、西勇輝、伊藤将司、ガンケル、藤浪晋太郎、救援から配置転換された小川一平、ドラフト3位左腕・桐敷拓馬に加え、左ヒジをクリーニング手術した髙橋遥人が合流すればさらに強固になる。課題は打線だ。昨年は後半戦で貧打に苦しんだ時期が続いた。2年目の佐藤輝明、大山悠輔、マルテら主軸が稼働すれば一気に得点力が上がる。

 昨年は3位とリーグ3連覇を逃した巨人はオープン戦で3年目右腕・堀田賢慎、ドラフト1位右腕・大勢、ドラフト3位右腕・赤星優志、2年目右腕・山﨑伊織と新戦力の台頭が目立った。エース・菅野智之、ベテランの山口俊、昨季チーム最多の11勝を挙げた髙橋優貴、2年連続9勝の戸郷翔征も意地がある。先発枠を巡るハイレベルな競争を期待したい。打線は2年連続本塁打、打点の2冠を獲得した不動の四番・岡本和真のあとを打つ打者がポイントになる。ウィーラー、復活を期す中田翔、新外国人のポランコ、ウォーカーが五番候補か。松原聖弥、吉川尚輝はチャンスメーカーとしてさらなる飛躍が求められる。

 広島は打線の中心だった鈴木誠也がMLBのカブスに移籍した穴をどう埋めるかが最大の懸案事項だ。開幕には間に合わない見通しだが、新外国人で四番候補のマクブルームの活躍が大きなカギを握る。ベテランの松山竜平、長野久義、ドラフト6位の末包昇大、成長著しい林晃汰も四番候補になる。投手陣は昨オフにFA権を行使するか注目された大瀬良大地、九里亜蓮が残留。森下暢仁、床田寛樹、玉村昇悟ら力のある投手たちはそろっている。救援陣の踏ん張りがチームの命運を左右することになりそうだ。

 立浪和義新監督が就任した中日は打線が機能するかにすべてがかかっている。昨年はリーグワーストの405得点。今年は三塁の高橋周平を二塁にコンバートし、オープン戦では根尾昂、石川昂弥、岡林勇希、ドラフト2位の鵜飼航丞ら若手を積極的に起用した。投手陣は大野雄大、柳裕也の「ダブルエース」を筆頭に先発陣の質は高く、救援陣もソフトバンクにFA移籍した又吉克樹の補償で岩嵜翔を獲得して大きな戦力ダウンにはならない。得点力が上がれば十分に戦える。

 DeNAは本来なら打線の破壊力で言えばヤクルトに引けを取らない。2年目の牧秀悟、オースティン、宮﨑敏郎、ソトと強打者たちがそろう。ただ、オースティン、ソトは右手首、右ヒジの張りで開幕絶望。両外国人不在の間の戦い方がカギとなる。さらに得点力を上げるために機動力の強化がポイントに。リードオフマンの桑原将志、森敬斗らがチャンスメークで俊足を生かしたい。投手陣は左前腕の炎症で開幕に間に合わなかった今永昇太の状態が気がかりだ。昨年は大貫晋一の6勝がチーム最多で、救援陣も不安定だった。三嶋一輝、山﨑康晃、エスコバーら実績のある投手たちの稼働は巻き返しに不可欠だ。

【文責:週刊ベースボール】