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【コラム】異次元の剛球で今季初勝利のロッテ・佐々木朗希、大事にしているのは「初回からリズムをつくりたい」

 昨年から意識していたのはリズムだったという。

 「大事にしていました。それは、今年もそうだと思うんですけど、特に初回はなるべく、リズムをつくりたいので。そのためにはスピードでも相手に意識を植えつけたいなって。それは、自分のためにもなると思うんです」

 高卒3年目のロッテ・佐々木朗希の言葉だ。プロ1年目の2020年は一、二軍で実戦登板せずに体力づくりに専念。2年目の昨季は11試合登板、3勝2敗、防御率2.27。楽天とのクライマックスシリーズ・ファーストステージでは初戦(ZOZOマリン)の先発に抜擢されると、プロ入り後の実戦で最速の159キロをマークし、6回10奪三振1失点の快投を見せていた。今季は開幕先発ローテーション入りを果たし、3月27日の楽天戦(楽天生命パーク)で初先発。だが6回3失点で勝利をつかめなかった。

 迎えた2度目の先発。4月3日の西武戦(ZOZOマリン)では立ち上がりから剛球を投げ続けた。先頭の岸潤一郎には初球から160キロ。2球目は162キロで3球目には163キロに到達した。盛り上がる球場のボルテージ。カウント1-2から最後は144キロのスライダーで見逃し三振だ。二番・オグレディにも161キロ、160キロで追い込むと決め球は148キロのフォーク。空振り三振に仕留めると、続く三番・源田壮亮に投じた全5球はすべて160キロ超え。源田は遊ゴロに打ち取ったが、異次元のスピードを誇る剛球でリズムをつくった。

 その後も直球主体のピッチングで西武打線を封じ込む。7回に1点を失ったが、8回にも2球、160キロを計測した。この試合、160キロに到達したのは99球中、38球。ストレートの平均球速は159.5キロ。8回3安打1失点で今季初勝利を手にしたが、「打ちあぐねたというより、打てないよ。やっぱりすごいなと思う」と敵将・辻󠄀発彦監督が白旗を挙げるなど、結果以上にインパクトの大きいピッチングだった。

 「しっかり(ボールを)操れていたと思うので、しっかり投げ切れたかなと思います」と笑顔の佐々木朗。背番号17が非凡なのは、これだけの球速を誇るストレートを完璧にコントロールできることだろう。この試合でも右打者の外角低めに巧みに制球していた。しかし、これもキャンプから練習を積んできた成果だ。

 「(昨季は)技術的なことで言えば、右バッターのアウトコースに投げ込めなかったというか、あまりうまく使えなかったので。ブルペンではしっかり(右打者への外角の)ラインに投げられるんです。でも、バッターが立つと微妙に変わってくるというか……。だから、バッターに立ってもらって、しっかり投げ込めるようにしてきました」

 歩みを止めない佐々木朗の今季の目標は「1年間、投げ続けること」だ。「その上で昨年の成績の倍以上を残せるようにしたい。とにかく1年間、戦い続けること、投げ続けること。そういうシーズンにしていきたいですし、自分に期待していることはそこに尽きます」。

 “令和の怪物”は今季、常に見る者をワクワクさせるピッチングを繰り広げるはずだ。

【文責:週刊ベースボール】