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【コラム】球団新人セーブ記録を更新した巨人の守護神、ドライチ大勢は相手に絶望感を与える存在に

 「プレッシャーは特にないです」と言い切る。新人離れした堂々としたマウンドさばき。巨人のドラフト1位右腕・大勢が開幕からチームに欠かせない存在となっている。4月13日のDeNA戦(那覇)では球団の頂点に立った。4対3と1点リードの9回、いつものように大勢は勝ちゲームのマウンドへ。先頭の藤田一也を二ゴロに斬って取ると、関根大気、梶原昂希を連続空振り三振に。11球中、9球がストレートのパワーピッチでチームに勝利を呼び込んだ。これで大勢は8セーブ目。1978年の角三男(現・盈男)を抜き、44年ぶりに球団新人最多セーブ記録を更新した。

 「素直にうれしいです」と笑顔を見せた大勢の勢いは止まらない。4日ぶりの登板となった17日の阪神戦(甲子園)。3対1と2点リードの9回に出番が回ってくると、2安打を浴びて一死一、二塁とピンチを招くが動じない。山本泰寛を遊ゴロに打ち取ると、最後はストレートで3球勝負を挑み、中野拓夢を空振り三振に仕留めて派手なガッツポーズを見せた。4月18日現在、10試合に投げ、1勝9セーブ、防御率2.70。セーブ数はマクガフ(ヤクルト)、栗林良吏(広島)に4個差をつけてリーグ断トツトップだ。

 開幕前からリリーフ起用は決まっていた。だが、昨季のクローザーであるビエイラの状態が上がらず開幕直前になって大役を任され、見事に期待に応えている。新人として40年ぶりとなる開幕戦セーブを挙げると、そこから7戦連続セーブ。新人の開幕戦から2試合連続セーブ、初登板から7試合連続セーブはいずれもNPB史上初だ。

 開幕前にはメジャー・リーグ史上最多の652セーブを記録したマリアーノ・リベラ(元ヤンキース)を理想のクローザー像に挙げていた。

 「相手に絶望感を与えるというか。すごい抑えの人たちというのは、出てきたら味方には安心感を与え、相手には『このピッチャーが出てきたら……』と思わせる投手というイメージがある。自分が追求しているものをもっともっと磨いていけば、いずれそういった投手に近付けるのではないかと思います」

 ヒールアップからサイドスローとスリークオーターの中間の位置から最速158キロの剛球を投げ込む。「短いイニングというのは自分のフォーム的にも、性格的にも合っているのかなと思いました」と言うが、胸の奥底には「将来的に先発として投げたい」願望もある。だが、もちろん今は1年間、クローザーを全うすることしか考えていない。

 「やはり期待していただいて、任せていただいていると思うので。自分としては期待されている以上の結果を求めていくのは最低限、必要なことだと思っています。弱気になることなく、自分の強みでどんどん勝負していきたい。個人タイトルに関して、いろいろなところで聞かれたりしますけど、本当にそこにはこだわりがありません。チームの優勝に貢献したい。1年目から優勝したいです」

 2年ぶりの優勝へ。開幕ダッシュに貢献した背番号15が、チームをさらに上昇気流に乗せていく。

【文責:週刊ベースボール】