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【コラム】ソフトバンク・東浜巨が沖縄出身初のノーヒットノーラン、「チーム全体で成し遂げた記録だと思います」

 最後は2度、首を振ってストレートを選んだ。カウント2-2から内角高めへ投じた1球。西武の金子侑司が放った緩い打球にマウンド上で体勢を崩しながら左手を伸ばしたがグラブに収まらず。しかし、二塁手の三森大貴がしっかりバックアップ。素早く打球をつかんで一塁へ送球してゲームセット。5月11日、PayPayドーム。ソフトバンクの東浜巨が史上84人目、通算95度目となるノーヒットノーランを成し遂げた。球団では2019年の千賀滉大以来3度目。9回を97球で投げ抜き、100球未満の完封「マダックス」で達成した大記録に、東浜は仲間と抱き合って喜びを分かち合った。

 「疲れました。でも、こんなに気持ちのいい疲れは久しぶりです。まさか自分ができるとは思っていなかったですし、まだ信じられないです。ベンチで全然声を掛けてくれなくて、たぶん流れを変えたくなかったと思うんですけど、そういう気配りもありつつ、ありがたいと思いながら、ちょっと余計に緊張しながら……初めての経験でした。思ったよりも変化球が操れていましたし、要所要所で真っすぐもしっかり投げられていたので、それが良かったのかなと思います。(最後は)自分のところに打球が飛んできて捕れなかったときに『やってしまった』と思ったんですけど、うまくアウトに処理してくれたのでホッとしました。(野球人生でノーヒットノーランは)2回目ですかね。プロ野球の世界でこういうピッチングができて本当に良かったです」

 内野ゴロで16アウト、外野飛球は1本のみと持ち味を発揮。2回は一死から、5回は先頭打者に四球を与えたが、直後の栗山巧、中村剛也をいずれも遊撃併殺打に。「27人斬り」で果たしたノーヒットノーランでもあった。

 「踏ん張りどころというか、フォアボールで出したランナーのところで、2度ともゲッツーを取れたのは大きかったと思います。相手は一発のある打線なので、一気にドカンと先制されたり、追いつかれたりというのはチームとしてはあまり良くないな、と。やっぱり中軸はホームランをよく打っているイメージですし、その前にランナーを出さないように、というふうには考えました。しっかりと攻めてはいきながら、高めに行かないように、打球を上げさせないようにという意識でした」

 「拓也と取ったノーヒットノーラン」とも東浜は言った。いつもどおりバッテリーを組む甲斐拓也の意見を聞き、自分の要望も伝える。配球で“共通認識”を増やしながら試合を進めていった。冒頭の首を振ったシーンも同様だ。

 「あの場面は、僕も拓也と同じ考えで投げようとはしていたんです。ただ、投げる寸前に直感で『ちょっと違うな』と思ったので首を振っただけ。誤解しないでほしいのは、拓也のサインが嫌だったからとか、そういうわけではないということ。自分の投げたいボールを共有しただけです。配球ってキャッチャー任せじゃないので。一緒になってつくり上げていくものですから」。もちろん野手にも感謝している。「ヒットにされてもおかしくない打球が何個もありました。それをしっかりアウトに取ってくれました」。

 チーム全体で成し遂げたノーヒットノーランだと思います――。すがすがしい笑顔で、31歳右腕は沖縄出身初の快挙を振り返った。

【文責:週刊ベースボール】