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【パ・リーグ後半戦展望】首位・ソフトバンクから5位・オリックスまで2.5ゲーム差、大混戦制するチームは果たして

 パ・リーグは首位・ソフトバンクから5位・オリックスまで2.5ゲーム差の間に5球団がひしめき、1試合ごとに順位が目まぐるしく変わる大混戦となっている。日本ハムは最下位に低迷しているが、投打で若手が躍動して試合を重ねるごとに成長している。後半戦の展開が予測できない中、経験豊富な主力選手たちの活躍が各球団の命運を握ることになりそうだ。

 2年ぶりのV奪回を狙うソフトバンクは故障者が相次いだ。開幕直後に栗原陵矢が左ヒザ前十字靱帯断裂、左外側半月板損傷の大ケガで今季絶望に。上林誠知も5月中旬に右アキレス腱断裂で長期離脱。7月上旬にはリードオフマンとして打線を牽引していた三森大貴が左手親指骨折、FA移籍1年目でセットアッパーとして稼働していた又吉克樹も右足甲骨折で相次いで戦列を離れた。主力が新型コロナウイルスに集団感染した影響もあり、満身創痍のチーム状況で7月は7勝10敗と苦戦が続いている。それでも、前半戦を首位で折り返したところに底力を感じる。大関友久、藤井皓哉と若手が台頭。前半戦は波に乗り切れなかった主将・柳田悠岐の打棒爆発に期待したい。

 昨年42年ぶりの最下位に沈んだ西武はチームカラーがガラッと変わった。「山賊打線」と形容された打ち勝つ野球で2018、19年にリーグ連覇を飾ったが、今年は強力投手陣が武器に。リーグトップのチーム防御率2.51を誇る投手陣が強さの源だ。特に救援陣は水上由伸、平良海馬、森脇亮介、本田圭佑から守護神・増田達至につなぐ継投策で失点を許さない。左足首の捻挫で離脱していた今井達也が先発陣に復帰したことも心強い。打線は四番・山川穂高の復活で得点力が一気に上がった。近年は度重なる故障も影響して精彩を欠いていたが、今季は29本塁打とタイトル争いで独走。後半戦は相手バッテリーのマークが厳しくなる。主軸を打つ森友哉と共にポイントゲッターとしての活躍が求められる。

 楽天は春先から白星を順調に積み重ねて首位を独走。5月10日終了時点で24勝6敗1分けと貯金18まで増やしたが、その直後に2勝10敗と大きく負け越して失速していく。日本ハムから加入した西川遥輝が3、4月に打率.333、5本塁打、21打点、7盗塁で月間MVPを獲得したが5月以降は打撃不振から抜け出せず、打率.220まで低下。チャンスメーク役が不在になったことで得点力が落ちた。投手陣は田中将大が自己ワーストを更新する6連敗と苦しんだ。則本昂大も6月までに6勝を挙げたが、7月に入り3試合登板で3敗と大量失点が目立っている。投打で能力の高い選手がそろっているだけに、後半戦で持ち直せば再び混パの主役になれる。勝負の夏場に流れを変えられるか。

 4位のロッテは佐々木朗希、松川虎生の「若さあふれるバッテリー」が躍動。4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で完全試合とプロ野球新記録となる13者連続奪三振を達成し、後世に語り継がれる伝説を打ち立てた。髙部瑛斗がリーグトップの29盗塁をマークするなど若手たちの活躍が目立つ。救援陣が不安定だったが、メジャーでセーブ王の実績を持つオスナの加入で引き締まった。優勝に向け、カギを握るのは野手陣だ。特にマーティン、レアードは打線の軸と期待されながら打撃不振が長引いている。マーティンはファームで調整しているが、首脳陣は1日も早く復調することを願っているだろう。山口航輝、安田尚憲ら和製大砲も殻を破ってほしい。

 リーグ連覇を狙うオリックスは不動の四番として期待された杉本裕太郎が極度の打撃不振に苦しみチームも借金生活が続いたが、6月以降は白星を積み重ねて貯金1で前半戦を終えた。絶対的エース・山本由伸に加え、山岡泰輔の復活も朗報だ。近年は相次ぐ故障で満足に投げられなかったが、今季は6勝5敗、リーグ2位の防御率1.75と好成績をマーク。投球フォームに躍動感を取り戻し、抜群の安定感を見せている。一方で昨季13勝と大ブレークした宮城大弥は6勝を挙げているが、防御率3.70とピリッとしない投球が続いている。後半戦で挽回すればチームは勢いに乗れる。昨季リーグ優勝を飾った経験は混戦を勝ち抜く上で強みになる。5位から一気にスパートをかけて頂点を目指す。

 BIGBOSSこと新庄剛志監督が就任した日本ハムは、他の5球団と比べて戦力で見劣りするため開幕前から苦戦が予想された。まだまだ発展途上のチームで借金が多いが、清宮幸太郎、万波中正、今川優馬が自己最多のアーチを更新するなど変革の時を迎えている。若手だけではない。プロ11年目の松本剛がリーグトップの打率.355と大ブレーク。だが、7月中旬に左ヒザ骨折で戦列を離れたのは大きな痛手だ。エースの上沢直之も7月16日の西武戦(札幌ドーム)で先発登板した際に打球が右足に直撃。右足中指骨折で長期離脱する事態に。新型コロナウイルスに集団感染した影響もあり、7月は7連勝のあとに6連敗を喫したが、選手たちのモチベーションは高い。後半戦は台風の目になり、混パをかき回したい。

【文責:週刊ベースボール】