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【コラム】指揮官も「今日は周東デー」と絶賛した大活躍、強くなったソフトバンク・周東佑京の“心”

 チームのピンチを救った。8月13日のオリックス戦(PayPayドーム)、ソフトバンクは4対1と3点リードの8回表、セットアッパーの藤井皓哉をマウンドに送る。防御率0.72を誇る勝ちパターンの右腕はしかし、この日は不安定な投球に終始し、3失点。同点に追いつかれてしまう。その裏、ソフトバンク打線は反撃ならず得点ゼロ。9回表、モイネロがオリックス打線を封じ込め、同点のまま迎えた9回裏だ。一死から打席に入ったのは周東佑京。宇田川優希が投じた初球、153キロ直球をとらえた瞬間、右手を突き上げた。打球は右翼テラス席へ着弾。今季2本目のサヨナラ本塁打でチームを勝利に導いた。

 「何とか塁に出ることだけ考えて、甘い球が来たら打っていこう、と。外野の頭を越えてくれと思っていたら、練習でも入らない場所に入って。角度が出ていなかったので入ると思わなかったので、びっくりです」

 驚きの表情を見せた背番号23に対して藤本博史監督は「今日は周東デー」と、その働きを絶賛した。初回に遊ゴロ内野安打で出塁し、すかさず二盗。続く今宮健太の一塁側へのセーフティバントで相手守備がもたつく間に先制のホームを踏んだ。センターの守備では2回表二死満塁のピンチで頭上を襲った強烈な打球に対しては一直線で背走しながら左腕を伸ばし、ジャンピングキャッチ。逆転を許さない好守備を見せた。

 昨秋に右肩手術を受けた影響で、出遅れていた周東が一軍の舞台に戻ってきたのは5月下旬だった。長いリハビリを経ての復帰だったが「このまま終わっていくのが嫌だったんです」と回想する。「2020年は103試合に出場、盗塁王(50盗塁)も獲得して。ただ、昨季がダメで、ケガまでして、『なんかアイツ、1年だけだったな』と言われるのが嫌だなと。あとは、家族の存在も大きかったです。20年に結婚をして、昨年はケガして少したったときに子どもができたのが分かった。守るべき者が増えたことで、そのためにもというのがありました」。

 8月14日現在、53試合に出場して打率.303、5本塁打、12打点。昨季まで一軍実働3年で通算5本塁打だったが、今季はここまですでに過去と同数の本塁打を放っている。明らかにパワーアップした打撃でチームの大きな力となっている。

 「打撃面では、自分の中に余裕があります。もちろん、打てていて、いい数字が残せているというのもあるんですけど、気持ちの面が一番大きいかもしれないです。これまでは、打てなかったときに“どうしよう、どうしよう”“打たなきゃ、塁に出なきゃ”というのが強かったんですが、今年はそういうのが全然なくて。打てなくても“はい、次”“次の打席で打とう”と。“切り替え”がうまくいっているのかなとは思いますね」

 リハビリ中に過去を振り返り、「何であんなに自分で自分を追い込んで、プレッシャーをかけていたんだろうな」という考えに思い至ったことが出発点だった。自分がやらなければいけない気持ちが強過ぎ、逆にどうしたらいいのか分からなくなっていた。それを一つひとつ見直すことで、少しずつ気持ちの切り替えができるようになった。

 首位・西武を1.5ゲーム差で追い掛ける2位のソフトバンク。V奪回へ、生まれ変わった周東が先導役になる。

【文責:週刊ベースボール】